2022年04月17日
『中世ヨーロッパ彩色写本展』展示写本の紹介
市民ギャラリーにて、4月28日~5月2日にかけて、彩色写本展を行います。

中世のヨーロッパで作られていた手書きの写本の美しさをぜひご覧いただきたく。 (無料です)
今回は詩編などの写本を紹介したいと思います。
当時の詩編写本(Psalter)は、キリスト教で『旧約聖書』の「詩編」、教会暦、聖人への祈りなどを内容とする分厚い書物で、中世の終わりごろに『時祷書』(時課経)が正式に現れるまで、おもに教会や修道院や富裕者や初心者がその日およびその時間の礼拝で具体的に何を歌い、祈るかに使われたもので、綺麗に挿絵が施されているのが常でした。(Wikipediaより)
①ラットレル詩編
1325年~1340年にイギリス北部のラットレル卿が制作した詩編写本。350×245の大きさで309葉の羊皮紙に描かれた大部の写本。中世の生活とともに、人間の頭と動物や鳥などの体が組み合された想像上の怪物が多数描かれています。 ただ、本文内容と関係のない挿絵がこれだけ描かれている理由はよくわかりません。ひょっとすると退屈な文章を少しでも面白くするために描かれていたとか。

本文の周辺の余白部にいろいろな絵が描かれています。

2足歩行のイノシシ顔の動物?

カモノハシのような口をしたドラゴン?

顔がしっぽにもある動物
などなど、ハイブリッド動物がそこかしこに描かれています。
また、当時の生活風景もいろいろ描かれています。

牛で鋤を引っ張って畑を耕している様子。

化粧をしているのか、治療をしているのかよくわかりませんが、目を見ています。

肉を焼いている様子ですか。バーベキューのようです。
②マックルズフィールド詩編
1330-1340年頃のイギリス東部で制作された写本で、豪華に彩色されています。 大きさは170×108㎜という小型の縦長ですが、252葉の羊皮紙に美しく彩色され、ラットレル詩編同様に挿絵にはハイブリッド怪物とともに擬人化された動物などが描かれています。中世の生活も描かれていますが、ラットレル詩編ほどではないです。
最後の所有者、マックルズフィールド伯爵にちなんで命名されています。

写本の1枚目の表(左ページ)と裏(右ページの左側)と2枚目の裏(右ページの右側)です。

兎と犬がパイプオルガンを弾いているようです。

上半身が人間で下半身が動物の2人が争っている?

エイのような巨大な生物に驚いている様子。

何をしているのかよくわかりませんが、猿が人のお尻を覗き込んでいる?

こちらもまたの下からのぞいていますが、お尻がまるみえです。

文章の最初の文字が彩られていますが、何の場面かはわかりません。なにか聖書のなかの話でしょうか。
今回は以上です。 また紹介したいと思います。
展示会にぜひお越しください。
中世のヨーロッパで作られていた手書きの写本の美しさをぜひご覧いただきたく。 (無料です)
今回は詩編などの写本を紹介したいと思います。
当時の詩編写本(Psalter)は、キリスト教で『旧約聖書』の「詩編」、教会暦、聖人への祈りなどを内容とする分厚い書物で、中世の終わりごろに『時祷書』(時課経)が正式に現れるまで、おもに教会や修道院や富裕者や初心者がその日およびその時間の礼拝で具体的に何を歌い、祈るかに使われたもので、綺麗に挿絵が施されているのが常でした。(Wikipediaより)
①ラットレル詩編
1325年~1340年にイギリス北部のラットレル卿が制作した詩編写本。350×245の大きさで309葉の羊皮紙に描かれた大部の写本。中世の生活とともに、人間の頭と動物や鳥などの体が組み合された想像上の怪物が多数描かれています。 ただ、本文内容と関係のない挿絵がこれだけ描かれている理由はよくわかりません。ひょっとすると退屈な文章を少しでも面白くするために描かれていたとか。
本文の周辺の余白部にいろいろな絵が描かれています。
2足歩行のイノシシ顔の動物?
カモノハシのような口をしたドラゴン?
顔がしっぽにもある動物
などなど、ハイブリッド動物がそこかしこに描かれています。
また、当時の生活風景もいろいろ描かれています。
牛で鋤を引っ張って畑を耕している様子。
化粧をしているのか、治療をしているのかよくわかりませんが、目を見ています。
肉を焼いている様子ですか。バーベキューのようです。
②マックルズフィールド詩編
1330-1340年頃のイギリス東部で制作された写本で、豪華に彩色されています。 大きさは170×108㎜という小型の縦長ですが、252葉の羊皮紙に美しく彩色され、ラットレル詩編同様に挿絵にはハイブリッド怪物とともに擬人化された動物などが描かれています。中世の生活も描かれていますが、ラットレル詩編ほどではないです。
最後の所有者、マックルズフィールド伯爵にちなんで命名されています。
写本の1枚目の表(左ページ)と裏(右ページの左側)と2枚目の裏(右ページの右側)です。
兎と犬がパイプオルガンを弾いているようです。
上半身が人間で下半身が動物の2人が争っている?
エイのような巨大な生物に驚いている様子。
何をしているのかよくわかりませんが、猿が人のお尻を覗き込んでいる?
こちらもまたの下からのぞいていますが、お尻がまるみえです。
文章の最初の文字が彩られていますが、何の場面かはわかりません。なにか聖書のなかの話でしょうか。
今回は以上です。 また紹介したいと思います。
展示会にぜひお越しください。
2022年04月15日
『中世ヨーロッパ彩色写本展』のご案内
市民ギャラリーにて、4月28日~5月2日にかけて、彩色写本展を行います。

中世のヨーロッパで作られていた手書きの写本の美しさをぜひご覧いただきたく。 (無料です)
スペインで主に制作された黙示録写本が中心ですが、今回は特に時祷書を中心に紹介します。
時祷書というのは、司祭や修道士ではなく平信徒たちが祈りを捧げるときに用いた書物で、定時の祈りを行うときにどの祈祷を行うのかわかりやすいようにまとめたものです。だんだん豪華になり、貴族やお金持ちにとって豪華な時祷書を所有することは一種のステイタス・シンボルになっていました。
まずは彩色写本の愛好家で有名なフランスのベリー候が制作・所有していた時祷書から2冊。
①ベリー公のいとも豪華な時祷書(美術書)
いろいろな所で紹介されているので、ご覧になった絵もあると思います。

1年間の行事が描かれているページです。これは5月の絵で、若い男女が森に出かけ若葉を手折って飾りにする祭りの様子です。

これも有名な絵です。12か月を黄道の十二宮と対応させているのと同時に、人間の性格や運命とも密接に対応すると考えられていたようです。
②ベリー公の大時祷書(美術書)
これは大きさが縦40㎝横30㎝と、「いとも豪華な時祷書」の2倍の大きさになります。

これもカレンダーを表したもので、10月と11月になります。日付とか曜日の書き方が現在と違うので見方がよくわかりません。しかし、毎年日付と曜日の組み合わせが変わるのに、どうやって使うのか勉強不足でよくわかっていません。
③ヴィスコンティ時祷書(美術書)
ミラノ公ヴィスコンティの注文で2人の画家が手掛けた時祷書です。民間の裕福な人が制作した典型的な時祷書です。独特の装飾に彩られたイニシヤル文字が特徴的です。

④ローアン時祷書(美術書)
15世紀前半にフランスのアラゴンのアンジュー侯爵夫人が制作を委託したとされる写本。

「横たわる死者とキリストの間で、天使と悪魔が死者の魂を奪い合っている(世界でもっとも美しい装飾写本より)」とのことです。
⑤エティエンヌ シュヴァリエ時祷書(美術書)
15世紀中頃、印刷術が発明され写本の衰退がはじまる時期に制作された美しい写本です。ただ、挿絵の部分が切り取られた形でしか残っていないため、本の大きさもわかりません。

受胎告知の場面。一点透視の遠近法を用いて、挿絵というより1枚の絵画のような用言になっています。(世界でもっとも美しい装飾写本より)
今回は以上です。 また紹介したいと思います。
展示会にぜひお越しください。
中世のヨーロッパで作られていた手書きの写本の美しさをぜひご覧いただきたく。 (無料です)
スペインで主に制作された黙示録写本が中心ですが、今回は特に時祷書を中心に紹介します。
時祷書というのは、司祭や修道士ではなく平信徒たちが祈りを捧げるときに用いた書物で、定時の祈りを行うときにどの祈祷を行うのかわかりやすいようにまとめたものです。だんだん豪華になり、貴族やお金持ちにとって豪華な時祷書を所有することは一種のステイタス・シンボルになっていました。
まずは彩色写本の愛好家で有名なフランスのベリー候が制作・所有していた時祷書から2冊。
①ベリー公のいとも豪華な時祷書(美術書)
いろいろな所で紹介されているので、ご覧になった絵もあると思います。
1年間の行事が描かれているページです。これは5月の絵で、若い男女が森に出かけ若葉を手折って飾りにする祭りの様子です。
これも有名な絵です。12か月を黄道の十二宮と対応させているのと同時に、人間の性格や運命とも密接に対応すると考えられていたようです。
②ベリー公の大時祷書(美術書)
これは大きさが縦40㎝横30㎝と、「いとも豪華な時祷書」の2倍の大きさになります。
これもカレンダーを表したもので、10月と11月になります。日付とか曜日の書き方が現在と違うので見方がよくわかりません。しかし、毎年日付と曜日の組み合わせが変わるのに、どうやって使うのか勉強不足でよくわかっていません。
③ヴィスコンティ時祷書(美術書)
ミラノ公ヴィスコンティの注文で2人の画家が手掛けた時祷書です。民間の裕福な人が制作した典型的な時祷書です。独特の装飾に彩られたイニシヤル文字が特徴的です。
④ローアン時祷書(美術書)
15世紀前半にフランスのアラゴンのアンジュー侯爵夫人が制作を委託したとされる写本。
「横たわる死者とキリストの間で、天使と悪魔が死者の魂を奪い合っている(世界でもっとも美しい装飾写本より)」とのことです。
⑤エティエンヌ シュヴァリエ時祷書(美術書)
15世紀中頃、印刷術が発明され写本の衰退がはじまる時期に制作された美しい写本です。ただ、挿絵の部分が切り取られた形でしか残っていないため、本の大きさもわかりません。
受胎告知の場面。一点透視の遠近法を用いて、挿絵というより1枚の絵画のような用言になっています。(世界でもっとも美しい装飾写本より)
今回は以上です。 また紹介したいと思います。
展示会にぜひお越しください。
2022年03月30日
ライブラリー リエバナ 4月の展示お知らせ
中世スペインの彩色写本などをファクシミリ本(精巧な複製本)を中心に紹介しているライブラリー リエバナです。
4月の展示内容と開館日のご案内です。


ベアトゥス黙示録註解書写本で展示するモーガン写本には、挿絵が著している聖書の言葉を添付します。どのような場面をあらわそうとしているのか、想像をしてください。

(Apoc. Ⅻ:1-18)太陽を着て月を踏む女性
天に大きなしるしが現れた。それは、太陽を衣として身にまとった女で、月を足の踏み台とし、その頭には12の星の冠を戴いていた。女はその胎に子を宿しており、子を産もうとして、陣痛と苦しみで叫んでいる。また、もう一つのしるしが天に現れた。それはほら赤い巨大な竜で、7つの頭と十本の角を持ち、その頭には7つの王冠を被っている。
また、13世紀以降流行した時祷書の展示をします。(ファクシミリ本ではありません)
写本愛好家のベリー公が制作したことで有名な「いとも豪華な時祷書」と「美しき時祷書」の2点と、ヴィスコンティ時祷書を展示します。

「ベリー公のいとも豪華な時祷書」より

「ベリー公の美しき時祷書」より

「ヴィスコンティ時祷書」より
四月の開店日はこちらに掲載しています。
尚、4月28日(木)~5月2日(月)の間、豊田市民ギャラリー(VITS豊田タウン地下1階)にて、「中世ヨーロッパの彩色写本展」を行います。ファクシミリ本及びオリジナルの写本も多数展示しますので、ぜひお越しください。


4月の展示内容と開館日のご案内です。
ベアトゥス黙示録註解書写本で展示するモーガン写本には、挿絵が著している聖書の言葉を添付します。どのような場面をあらわそうとしているのか、想像をしてください。
(Apoc. Ⅻ:1-18)太陽を着て月を踏む女性
天に大きなしるしが現れた。それは、太陽を衣として身にまとった女で、月を足の踏み台とし、その頭には12の星の冠を戴いていた。女はその胎に子を宿しており、子を産もうとして、陣痛と苦しみで叫んでいる。また、もう一つのしるしが天に現れた。それはほら赤い巨大な竜で、7つの頭と十本の角を持ち、その頭には7つの王冠を被っている。
また、13世紀以降流行した時祷書の展示をします。(ファクシミリ本ではありません)
写本愛好家のベリー公が制作したことで有名な「いとも豪華な時祷書」と「美しき時祷書」の2点と、ヴィスコンティ時祷書を展示します。
「ベリー公のいとも豪華な時祷書」より
「ベリー公の美しき時祷書」より
「ヴィスコンティ時祷書」より
四月の開店日はこちらに掲載しています。
尚、4月28日(木)~5月2日(月)の間、豊田市民ギャラリー(VITS豊田タウン地下1階)にて、「中世ヨーロッパの彩色写本展」を行います。ファクシミリ本及びオリジナルの写本も多数展示しますので、ぜひお越しください。
2022年03月06日
彩色写本展のご案内
15世紀に印刷術が発明されるまで、中世ヨーロッパでは本は全て羊皮紙に手で書き写して作られていました。
そうして作られた当時の写本を精巧に複製したファクシミリ本を中心に、彩色写本の展示会を行います。
【日時】 4月28日(木)~5月2日(月) 10:00~18:00(最終日は17:00まで)
【場所】豊田市民ギャラリー (VITS豊田タウン地下1階)

特にスペインで沢山書き写された写本に、「ベアトゥスの黙示録註解書写本」があります。スペインに住んでいた修道士ベアトゥスが、8世紀に黙示録の解説書を書いたものですが、1000年の節目とイスラムの侵略の環境もあり10世紀から13世紀にかけて多数制作されました。その多くには色彩鮮やかな挿絵が描かれており、ラテン語で書かれた本文は読めませんがその豊かなイマジネーションは見る価値があります。
今回は現存する挿絵入り完本写本22冊のうち19冊の複製本(ファクシミリ本)を展示します。
ファクシミリ本の中には、大きさや色の再現だけでなく、使用された羊皮紙の厚みやシワ・破れなども再現しているものもあり、その手触りや大きさなどが実感できます。
併せて、羊皮紙に書かれた時祷書の一部や、修道院などで使用されていた楽譜(ネウマ譜)なども展示します。
また、エチオピアで作られた羊皮紙に書かれている聖書(と思われる)も展示します。

中世の写本の世界を体感できる機会ですので、ぜひお越しください。
そうして作られた当時の写本を精巧に複製したファクシミリ本を中心に、彩色写本の展示会を行います。
【日時】 4月28日(木)~5月2日(月) 10:00~18:00(最終日は17:00まで)
【場所】豊田市民ギャラリー (VITS豊田タウン地下1階)
特にスペインで沢山書き写された写本に、「ベアトゥスの黙示録註解書写本」があります。スペインに住んでいた修道士ベアトゥスが、8世紀に黙示録の解説書を書いたものですが、1000年の節目とイスラムの侵略の環境もあり10世紀から13世紀にかけて多数制作されました。その多くには色彩鮮やかな挿絵が描かれており、ラテン語で書かれた本文は読めませんがその豊かなイマジネーションは見る価値があります。
今回は現存する挿絵入り完本写本22冊のうち19冊の複製本(ファクシミリ本)を展示します。
ファクシミリ本の中には、大きさや色の再現だけでなく、使用された羊皮紙の厚みやシワ・破れなども再現しているものもあり、その手触りや大きさなどが実感できます。
併せて、羊皮紙に書かれた時祷書の一部や、修道院などで使用されていた楽譜(ネウマ譜)なども展示します。
また、エチオピアで作られた羊皮紙に書かれている聖書(と思われる)も展示します。
中世の写本の世界を体感できる機会ですので、ぜひお越しください。
2022年03月02日
ライブラリー リエバナ 3月の展示お知らせ
中世スペインの彩色写本などをファクシミリ本(精巧な複製本)を中心に紹介しているライブラリー リエバナです。
3月の展示内容と開館日のご連絡です。

今回ご紹介する3冊のBeatus写本「オスマ写本」「ナバーラ写本」「リスボン写本」はいずれも同じ系統に属するものですが、挿絵の色使いや描き方にそれぞれ特徴があります。


オスマ写本の挿し絵です。地の色が、薄いエメラルドグリーンや黄色で塗られているのが特徴です。

ナバーラ写本は、地に紫色が多用されているのが特徴です。

また、リスボン写本は、地に蛍光色の黄色やオレンジが使われています。挿絵自身には彩色がされておらず、ペン書きになっています。
そのほかに道徳聖書などを展示しています。

3月度も日曜日+水・木・金曜日に開店しています。

4月28日(木)~5月2日(月)に豊田市市民ギャラリーにて、「中世ユーロッパ彩色写本展ーファクシミリ本で見る黙示録の世界」と称してファクシミリ本を中心に写本を一度に見てもらえる展示会を行う予定です。詳細はまたご報告します。

ぜひお越しください。
3月の展示内容と開館日のご連絡です。
今回ご紹介する3冊のBeatus写本「オスマ写本」「ナバーラ写本」「リスボン写本」はいずれも同じ系統に属するものですが、挿絵の色使いや描き方にそれぞれ特徴があります。
オスマ写本の挿し絵です。地の色が、薄いエメラルドグリーンや黄色で塗られているのが特徴です。
ナバーラ写本は、地に紫色が多用されているのが特徴です。
また、リスボン写本は、地に蛍光色の黄色やオレンジが使われています。挿絵自身には彩色がされておらず、ペン書きになっています。
そのほかに道徳聖書などを展示しています。
3月度も日曜日+水・木・金曜日に開店しています。

4月28日(木)~5月2日(月)に豊田市市民ギャラリーにて、「中世ユーロッパ彩色写本展ーファクシミリ本で見る黙示録の世界」と称してファクシミリ本を中心に写本を一度に見てもらえる展示会を行う予定です。詳細はまたご報告します。
ぜひお越しください。
2022年02月04日
ライブラリーリエバナ 2月度の展示ご案内
中世スペインの写本をファクシミリ本(精巧な複製本)を中心に紹介しているライブラリー リエバナです。
2月の展示内容と開館日のご連絡です。

今月は下記の写本をファクシミリ本で紹介しています。
【ベアトゥス黙示録註解書写本】
系統Ⅰといわれるところに属する写本群9写本から4写本を紹介します。
・マドリード写本・・ベアトゥ写本群の中で一番古いともいわれる10世紀中頃に制作された写本です。挿絵が多数切り取られているのが残念です。


・エスコリアル写本・・10世紀末頃に制作された写本です。全ページ大に描かれた「アダムとイブ」がかわいいです。


・サン・スヴェール写本・・11世紀中頃に制作された写本で、スペイン以外で最初に制作されたもの(フランスで制作された)。

・コゴーリャ写本(サン ミジャン写本)・・途中まで10世紀後半に制作され、中断ののち12世紀前半に後半部分が制作されたため、途中で作風が変わっている写本。

・ファクンドゥス写本・・今回新たに入手した写本を展示します。 系統Ⅱaに属する写本で、1047年にフェルナンド1世とサンチャ王妃に献呈されました。 写字・挿絵をおこなったファクンドゥスの名から「ファクンドゥス写本」と呼ばれています。
全312葉の写本は残存するベアトゥス写本の中で最も葉数が多い写本で、98の美しい挿絵が描かれています。



【黙示録写本】
・ヴァランシエンヌ黙示録写本 ・・トリーア写本に続く古い挿絵入り黙示録写本で、9世紀初頭(第1四半期)にフランスあるいはドイツで制作されたカロリングスタイルの黙示録写本

・トリニティ黙示録写本・・13世紀前半にイギリス又はフランスで制作された大型の豪華な彩色写本。

【中世の写本】
・新約聖書(Vat.Lat.29) ・・13世紀前半にイタリアで作られた彩色写本
・獣の書(Book of Beasts)・・13世紀前半にイギリスで作られたけもの図鑑のような写本。

2月度も日曜日+水・木・金曜日に開店しています。
4月28日(木)~5月2日(月)に豊田市市民ギャラリーにて、「中世ユーロッパ彩色写本展ーファクシミリ本で見る黙示録の世界」と称してファクシミリ本を中心に写本を一度に見てもらえる展示会を行う予定です。詳細はまたご報告します。
ぜひお越しください。
2月の展示内容と開館日のご連絡です。
今月は下記の写本をファクシミリ本で紹介しています。
【ベアトゥス黙示録註解書写本】
系統Ⅰといわれるところに属する写本群9写本から4写本を紹介します。
・マドリード写本・・ベアトゥ写本群の中で一番古いともいわれる10世紀中頃に制作された写本です。挿絵が多数切り取られているのが残念です。
・エスコリアル写本・・10世紀末頃に制作された写本です。全ページ大に描かれた「アダムとイブ」がかわいいです。
・サン・スヴェール写本・・11世紀中頃に制作された写本で、スペイン以外で最初に制作されたもの(フランスで制作された)。
・コゴーリャ写本(サン ミジャン写本)・・途中まで10世紀後半に制作され、中断ののち12世紀前半に後半部分が制作されたため、途中で作風が変わっている写本。
・ファクンドゥス写本・・今回新たに入手した写本を展示します。 系統Ⅱaに属する写本で、1047年にフェルナンド1世とサンチャ王妃に献呈されました。 写字・挿絵をおこなったファクンドゥスの名から「ファクンドゥス写本」と呼ばれています。
全312葉の写本は残存するベアトゥス写本の中で最も葉数が多い写本で、98の美しい挿絵が描かれています。
【黙示録写本】
・ヴァランシエンヌ黙示録写本 ・・トリーア写本に続く古い挿絵入り黙示録写本で、9世紀初頭(第1四半期)にフランスあるいはドイツで制作されたカロリングスタイルの黙示録写本
・トリニティ黙示録写本・・13世紀前半にイギリス又はフランスで制作された大型の豪華な彩色写本。
【中世の写本】
・新約聖書(Vat.Lat.29) ・・13世紀前半にイタリアで作られた彩色写本
・獣の書(Book of Beasts)・・13世紀前半にイギリスで作られたけもの図鑑のような写本。
2月度も日曜日+水・木・金曜日に開店しています。
4月28日(木)~5月2日(月)に豊田市市民ギャラリーにて、「中世ユーロッパ彩色写本展ーファクシミリ本で見る黙示録の世界」と称してファクシミリ本を中心に写本を一度に見てもらえる展示会を行う予定です。詳細はまたご報告します。
ぜひお越しください。
2022年01月07日
1月の写本展示(ライブラリー リエバナ)
中世スペインの写本(精巧な複製本)などを展示しているライブラリー リエバナです。

1月の展示内容と開館日のご連絡です。
1月から平日の開館を増やしました。基本は日曜日+水・木・金曜日です。
(1月12日はお休み)

今月は下記の写本をファクシミリ本で紹介しています。
【ベアトゥス黙示録註解書写本】
・コルシーニ写本・・ベアトゥ写本群の中で一番小さな写本です。
・ラス ウェルガス写本・・一番大きな写本です。持ち運びも大変。
・ウルジェイ写本・・10世紀後半に制作された素朴な色彩の写本です。
・マンチェスター写本・・1175年頃に制作された保存状態のいい大型の写本です。
・カルディーニャ写本・・これも同時期に造られましたが、現在は4か所に分けて所蔵されています。今回のファクシミリ本はすべてを集めて作成されました。
【黙示録写本】
・トリーア黙示録写本 ・・800年頃にフランス北部で制作された、残存する挿絵入り黙示録写本では一番古いもの。
・トリニティ黙示録写本・・13世紀前半にイギリス又はフランスで制作された大型の豪華な彩色写本。
【中世の写本】
・新約聖書(Vat.Lat.29) ・・13世紀前半にイタリアで作られた彩色写本
・獣の書(Book of Beasts)・・13世紀前半にイギリスで作られたけもの図鑑のような写本。

VITS豊田タウンのB1Fにあります。来られる際は外側の階段から市民ギャラリーに降りてください。
ぜひ中世ヨーロッパの彩色写本の世界を味わってください。
1月の展示内容と開館日のご連絡です。
1月から平日の開館を増やしました。基本は日曜日+水・木・金曜日です。
(1月12日はお休み)

今月は下記の写本をファクシミリ本で紹介しています。
【ベアトゥス黙示録註解書写本】
・コルシーニ写本・・ベアトゥ写本群の中で一番小さな写本です。
・ラス ウェルガス写本・・一番大きな写本です。持ち運びも大変。
・ウルジェイ写本・・10世紀後半に制作された素朴な色彩の写本です。
・マンチェスター写本・・1175年頃に制作された保存状態のいい大型の写本です。
・カルディーニャ写本・・これも同時期に造られましたが、現在は4か所に分けて所蔵されています。今回のファクシミリ本はすべてを集めて作成されました。
【黙示録写本】
・トリーア黙示録写本 ・・800年頃にフランス北部で制作された、残存する挿絵入り黙示録写本では一番古いもの。
・トリニティ黙示録写本・・13世紀前半にイギリス又はフランスで制作された大型の豪華な彩色写本。
【中世の写本】
・新約聖書(Vat.Lat.29) ・・13世紀前半にイタリアで作られた彩色写本
・獣の書(Book of Beasts)・・13世紀前半にイギリスで作られたけもの図鑑のような写本。
VITS豊田タウンのB1Fにあります。来られる際は外側の階段から市民ギャラリーに降りてください。
ぜひ中世ヨーロッパの彩色写本の世界を味わってください。
2021年12月05日
12月度のライブラリーリエバナの案内
12月度のライブラリーリエバナの展示の案内です。
12月度は5日、12日、19日、26日に開店します。

今月のベアトゥス写本は、一番小さな写本「コルシーニ写本」と一番大きな写本「ラス ウェルガス写本」です。
「コルシーニ写本」は、縦17cm、横9.5cmと片手で持てる大きさです。 残念ながら挿絵は8点しか残っていませんが、かわいらしい画風です。さすがにこの大きさだと、文字も小さく写本をするのも大変だったと思います。
コルシーニ写本より


一方、「ラス ウェルガス写本」は縦53㎝、横34㎝との大きさで両手で持っても重くて持ち運びに苦労する大きさです。挿絵も112点が残され、ベアトゥス写本群の中でもジローナ写本に次ぐ多さです。きっと教会か修道院でみんなが見えるような形で使われていたのではと思います。
ラス ウェルガス写本より


そのほかに新約聖書写本(Vat.Lat.29)


やベルギーの箱入りミサ書


も展示しています。
ぜひお越しください。
なお、来年1月より水・木・金も開店の予定です。(1月6日より開店)
詳しくはホームページで確認をお願いします。

12月度は5日、12日、19日、26日に開店します。
今月のベアトゥス写本は、一番小さな写本「コルシーニ写本」と一番大きな写本「ラス ウェルガス写本」です。
「コルシーニ写本」は、縦17cm、横9.5cmと片手で持てる大きさです。 残念ながら挿絵は8点しか残っていませんが、かわいらしい画風です。さすがにこの大きさだと、文字も小さく写本をするのも大変だったと思います。
コルシーニ写本より
一方、「ラス ウェルガス写本」は縦53㎝、横34㎝との大きさで両手で持っても重くて持ち運びに苦労する大きさです。挿絵も112点が残され、ベアトゥス写本群の中でもジローナ写本に次ぐ多さです。きっと教会か修道院でみんなが見えるような形で使われていたのではと思います。
ラス ウェルガス写本より
そのほかに新約聖書写本(Vat.Lat.29)
やベルギーの箱入りミサ書
も展示しています。
ぜひお越しください。
なお、来年1月より水・木・金も開店の予定です。(1月6日より開店)
詳しくはホームページで確認をお願いします。
2021年11月01日
11月のライブラリーリエバナの展示案内です
ヨーロッパ中世の彩色写本を展示しているライブラリーリエバナです。
11月度の展示のお知らせです。 11月は一部の写本を入れ替えます。



【ベアトゥス写本】
10世紀中頃に製作された「モーガン写本」と、10世紀後半に製作された「ウルジェイ写本」を展示します。両ファクシミリ本ともオリジナルを忠実に再現しています。

「モーガン写本」

「ウルジェイ写本」
【ベアトゥス写本の挿絵】
今月から「黙示録の四騎士」の挿絵を紹介します。
四騎士とは4つの封印を解くと亜馬に乗って現れる者たちで、、白い馬に乗る「征服者」、剣を持ち、赤い馬に乗る「戦争」、天秤を持ち、黒い馬に乗る「飢饉」、青白い馬に乗りハデス(黄泉)を従える「死」が現れ人間に災いをもたらします。

「サン スヴェール写本」の四騎士

「アローヨ写本」の四騎士
【黙示録写本】
「ゲッティ黙示録」と「クロイスターズ黙示録」を紹介します。

【中世の彩色写本】
「道徳聖書」と貧者の聖書」を紹介します。

ヨーロッパ中世の写本の世界が味わえます。
場所は、豊田市駅からすぐ近くのVITS豊田タウンの地下1階(市民ギャラリー前)です。 外階段から降りて頂くと便利です。
ぜひお越しください。
11月度の展示のお知らせです。 11月は一部の写本を入れ替えます。
【ベアトゥス写本】
10世紀中頃に製作された「モーガン写本」と、10世紀後半に製作された「ウルジェイ写本」を展示します。両ファクシミリ本ともオリジナルを忠実に再現しています。
「モーガン写本」
「ウルジェイ写本」
【ベアトゥス写本の挿絵】
今月から「黙示録の四騎士」の挿絵を紹介します。
四騎士とは4つの封印を解くと亜馬に乗って現れる者たちで、、白い馬に乗る「征服者」、剣を持ち、赤い馬に乗る「戦争」、天秤を持ち、黒い馬に乗る「飢饉」、青白い馬に乗りハデス(黄泉)を従える「死」が現れ人間に災いをもたらします。
「サン スヴェール写本」の四騎士
「アローヨ写本」の四騎士
【黙示録写本】
「ゲッティ黙示録」と「クロイスターズ黙示録」を紹介します。
【中世の彩色写本】
「道徳聖書」と貧者の聖書」を紹介します。
ヨーロッパ中世の写本の世界が味わえます。
場所は、豊田市駅からすぐ近くのVITS豊田タウンの地下1階(市民ギャラリー前)です。 外階段から降りて頂くと便利です。
ぜひお越しください。
2021年09月26日
10月のライブラリーリエバナの展示案内です
ヨーロッパ中世の彩色写本を展示しているライブラリーリエバナです。
10月度の展示のお知らせです。 10月は展示写本をすべて入れ替えます。

【ベアトゥス写本】
9月に展示した「モーガン写本」と同系統の写本で10世紀後半に作られた2つの写本、「バルカバード写本」と「ウルジェイ写本」を展示します。特に「ウルジェイ写本」はオリジナルを忠実に再現したファクシミリ本です。


【ベアトゥス写本の挿絵】
9月に引き続き世界地図の紹介ですが、今月は「サン・スヴェール写本」と「アローヨ写本」を展示します。 「サン・スヴェール写本」は11世紀後半フランスで製作された写本です。「アローヨ写本」は13世紀に作られた大型の豪華な写本です。


【黙示録写本】
10月は13世紀から14世紀にかけてイギリスやフランスで流行した黙示録写本から2つ紹介します。一つはイギリスで1255~1260年に作られた「ゲッティ黙示録」 で、もう一つはフランスで1330年につくられたクロイスターズ写本です。


【中世彩色写本】
今月は聖書のひとつのパターンとして流行した写本として「道徳聖書」と「貧者の聖書」を紹介します。
「道徳聖書」 1220年にパリで作られた聖書。最初に描かれているコンパスを持った創造主の挿絵が有名です。

「貧者の聖書」 15世紀初めにオランダで作られた聖書。「貧者」とは貧しい人という意味ではなく、修道会の三つの誓いである「純潔」「服従」「清貧」のひとつ「清貧」という意味での「貧者」です。挿絵は新約聖書の出来事が旧約聖書に予め語られているという予型論に基づく内容が描かれています。

ヨーロッパ中世の写本の世界が味わえます。ぜひお越しください。
場所は、豊田市駅近くのVITS豊田タウンの地下1階(市民ギャラリー前)です。外階段から降りて頂くと便利です。
10月度の展示のお知らせです。 10月は展示写本をすべて入れ替えます。
【ベアトゥス写本】
9月に展示した「モーガン写本」と同系統の写本で10世紀後半に作られた2つの写本、「バルカバード写本」と「ウルジェイ写本」を展示します。特に「ウルジェイ写本」はオリジナルを忠実に再現したファクシミリ本です。
【ベアトゥス写本の挿絵】
9月に引き続き世界地図の紹介ですが、今月は「サン・スヴェール写本」と「アローヨ写本」を展示します。 「サン・スヴェール写本」は11世紀後半フランスで製作された写本です。「アローヨ写本」は13世紀に作られた大型の豪華な写本です。
【黙示録写本】
10月は13世紀から14世紀にかけてイギリスやフランスで流行した黙示録写本から2つ紹介します。一つはイギリスで1255~1260年に作られた「ゲッティ黙示録」 で、もう一つはフランスで1330年につくられたクロイスターズ写本です。
【中世彩色写本】
今月は聖書のひとつのパターンとして流行した写本として「道徳聖書」と「貧者の聖書」を紹介します。
「道徳聖書」 1220年にパリで作られた聖書。最初に描かれているコンパスを持った創造主の挿絵が有名です。
「貧者の聖書」 15世紀初めにオランダで作られた聖書。「貧者」とは貧しい人という意味ではなく、修道会の三つの誓いである「純潔」「服従」「清貧」のひとつ「清貧」という意味での「貧者」です。挿絵は新約聖書の出来事が旧約聖書に予め語られているという予型論に基づく内容が描かれています。
ヨーロッパ中世の写本の世界が味わえます。ぜひお越しください。
場所は、豊田市駅近くのVITS豊田タウンの地下1階(市民ギャラリー前)です。外階段から降りて頂くと便利です。