2021年08月29日

9月のライブラリーリエバナの展示案内です

ヨーロッパ中世の彩色写本を展示しているライブラリーリエバナです。
9月度の展示案内です。
9月はメインの展示はそのまま引き続き行い、Beatus写本の中に出てくる挿絵のなかで、世界地図のいろいろなパターンを紹介します。
9月案内

黙示録を含む聖書では直接出てこない世界地図が、なぜ註解書の写本で挿絵に出てくるのか。 不思議ですがこれは註解に引用している聖イシドロス「語源論(語源誌)」と、やはり聖イシドロスに帰せられることのある「父祖の誕生と死」を図像化したものだそうです。(ベアトゥス写本研究の現在:近年の研究成果に照らして:アリシア・ミゲレス氏、久米順子訳)

ベアトゥス写本の世界地図
具体的にどう図像化されているのかは、専門領域となり不明ですが、このような地図はTO図(或いはOT図)と言われて、世界は平面の上にあることを示しています。
はるか古代ギリシャ・ローマ時代には科学が発達し、科学的な知識に基づいた地図が作られ、「地球は丸い」という科学的根拠が根本にありました。
 しかし、西ローマ帝国の崩壊と民族の大移動によって、ローマ帝国に受け継がれた文化・伝統が失われてしまいます。この動乱期をへて、人々はキリスト教会に救いを求めるようになったわけです。
 キリスト教会は古代科学を異端だとして排撃し、聖書こそが正しいとする価値観を作り出したのです。
 中世のキリスト教会においては、地球球体説は否定されました。もし地球が丸いなら、自分たちの足の下(地球の裏側)には、別の人々が暮らしていることになります。これは教会としては許せないことだと見なされたのです。 (ジオグラファーズ ~無料で地理を学べるブログサイト~ より)

9月7日からは「豊田国際紙フォーラム」が開催されます。
もともとは昨年秋に行われる予定でしたが、新型コロナ感染拡大に伴い1年延期されていました。
本年も愛知県にも緊急事態宣言が出されている状況ですが、今のところ感染対策を行いながら実施される予定とのことです。
会期:2021年9月7日(火)〜12月5日/コア期間:10月7日(木)〜10日(日)
豊田国際紙フォーラム
豊田市内の各所で、世界中のペーパーアートや、国内外から集めた紙の展示など、紙にまつわる展覧会が開かれます。
また、コア期間として10月の7日(木)8日(金)は世界の紙の団体IAPMAによるオンラインコングレスや、9日(土)はシンポジウムをはじめ、ワークショップやマーケットなどが予定されています。
会場の一つの豊田市民ギャラリーの隣に「ライブラリー リエバナ 」もありますので、お越しいただいた際には寄って頂ければ幸いです。



  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 11:39Comments(0)写本

2021年08月22日

今年の夏野菜

今年もこのところの雨続きで夏野菜もほぼ終わりになってきました。
今年はいつものゴーヤ・トマト・ナス・ピーマンに加えて、キュウリとズッキーニを少し植えてみました。
下の写真は7月上旬ころのもので、ズッキーニの初収穫の写真です。 

初めてのズッキーニは、最初雄花と雌花のタイミングが合わず、実がつくのかなと思っていたのですが、結果的には採れ過ぎくらいに採れ毎日食卓に上がることになりました。

ズッキーニの様子・・ズッキーニの葉がこんなに大きくなるとは思っていませんでした。
キュウリやゴウ・ミニトマトもそこそこ採れました。ピーマンとナスは少し詰めて植えたことが原因か、実の付きはいまいちでした。
もう少し庭が広いと感覚をしっかりあけることができるのですが、どうしても数を植えようとしてしまうのがいけないようです。

ズッキーニもそうですが、キュウリの実はすぐ大きくなるので、採るタイミングが難しいですね。少し小さいかなというところで採ったほうがよさそうです。
そろそろ次の季節の野菜を植える準備を始めようと思っているこの頃です。
  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 16:16Comments(0)その他

2021年08月21日

9月4日(土)おもちゃ病院中止のご連絡

豊田市が「まん延防止等重点措置」の対象区域に指定されたことを受けて、9月4日(土)のおもちゃ修理についても休止することになりました。
ご迷惑をおかけしますが、ご了解ください。
なお、修理でお預かりしているおもちゃのご返却については、子育て支援センターに確認中です。

愛知県も緊急事態宣言が発令される模様ですので、今後の活動についてもはっきりしませんが、随時ご連絡させていただきます。
くれぐれも感染にお気をつけてお過ごしください。  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 08:42Comments(0)おもちゃ修理

2021年08月01日

ライブラリー リエバナ 8月の展示ご案内

遅くなりましたが、8月の展示のご案内です。

【今月のBeatus写本】
①モーガン写本(2分冊) 940年~960年頃?製作(諸説あり)
  ベアトゥス写本群のひとつの流れのもとになった写本。現在は2分冊に製本されている。303葉の羊皮紙に89点の挿絵が描かれている。全頁大の挿絵に加え、両面見開きページ大の挿絵もある。
  
  この写本については「世界で最も美しい12の写本」に詳しく書かれています。
  
  豊田市中央図書館にもあります。  
 
②マドリード写本 930年頃?製作
  モーガン写本とほぼ同時期に書かれたと推測される写本。 挿絵が切り取られている部分が多く、141葉の羊皮紙に27点の挿絵が残されている。




【今月のBeatus写本挿絵】
「鳥と蛇の戦い」が描かれた主要な4写本を紹介します。毛塚美江子先生の書かれた論文を参考にさせていただきました。
 ジローナ写本
  ジローナ写本
 ライランズ写本
  ライランズ(マンチェスター)写本
サン スヴェール写本
  サン スヴェール写本
ウルジェイ写本
  ウルジェイ写本
【黙示録写本】
カロリング朝様式で書かれた挿絵入り黙示録写本で最古の2写本を紹介します。
①トーリア写本
  800年頃にドイツで制作された写本。74点の写本が全頁大で描かれています。
  
  

②バランシエンヌ写本
  800~825年頃にフランスかドイツで製作されたカロリング朝様式の挿絵が38点描かれています。
  
  
【中世写本の紹介】
 今回はイギリスで製作された詩篇写本2点を紹介します。
 当時の詩篇写本(Psalter)は、キリスト教で『旧約聖書』の「詩篇」、教会暦、聖人への祈りなどを内容とする分厚い書物で、中世の終わりごろに『時祷書』(時課経)が正式に現れるまで、おもに教会や修道院や富裕者や初心者がその日およびその時間の礼拝で具体的に何を歌い、祈るかに使われたもので、綺麗に挿絵が施されているのが常でした。(Wikipediaより)
 ①ラットレル詩篇
   1325年~1340年にイギリス北部のラットレル卿が制作した詩篇写本。350×245の大きさで309葉の羊皮紙に描かれた大部の写本。中世の生活とともに、人間の頭と動物や鳥などの体が組み合された想像上の怪物が多数描かれている。



 ②マックレズフィールド詩篇
   1330年~1340年頃にイギリス東部で製作された写本。170×108という小型の写本であるが、252葉の羊皮紙に美しく彩色されている。ラットレル詩篇同様に、挿絵にはハイブリットな怪物が描かれるとともに、擬人化された動物や中世の生活が描かれている。
 
 

VITS豊田タウン地下1階(市民ギャラリー前)で、毎週日曜日(11:00~17:30)開館しています。
ぜひお越しください。  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 13:32Comments(0)写本