2020年01月26日

西洋中世の彩色写本展2日目です。

昨日に引き続き今日(26日)も、ベアトゥスの黙示録注解書の写本(ファクシミリ本)を主に、ママトコで展示会を行いました。
ママトコ外観
ママトコの外観です。右側が喫茶店「ゆらり」で左の蔵が蔵カフェ&マルシェ 「ころも農園」です。蔵の2階が食事場所になっています。日曜日は両店とも休業日でした。ただ、残念ながら両店ともに来月2月で閉店になるようです。詳しくはこちらを参照ください。レンタルルームは引き続き使用できます。
さて、中央の入り口から入って奥がレンタルルームになっています。
ママトコ入口
路地のような感じになっていて突き当りの右側がレンタルルームの入り口です。
ママトコレンタルルーム入口
昔風の引き違い戸になっています。中に入っていただくと、展示会を行っています。
ママトコ奥
こちらはレンタルルームの奥で、トイレがあります。外観は昔のトイレですが、中は最新のシャワートイレです。
今日は5名の方がお見えになりました。2名は書物研究会の講座生の方で、2名は通りがかりの方でした。あと1名の方が東京から足を運んで頂いたそうで、ベアトゥス写本の研究をされている方でした。いろいろお話が聞けて大変参考になりました。今はただ眺めているだけで、もう少し系統だって勉強をしたいとも思っているのですが、もう一度よく考えたいと思いました。
マドリード写本
マドリード写本:一番古い写本(残っている完本で)だそうです。中世の写本によく見られる鋲が打ってあります。
モーガン写本1
モーガン写本は当初1冊本でしたが、モーガン図書館が買い取ったのち修復に合わせて2分冊にされたそうです。
エスコリアル写本
エスコリアル写本です。ベアトゥス写本の中では小型に属するかもしれません。羊皮紙が反ったりシワがよらないように木でできた表紙でしっかり押さえつけるための留め金がついています。
写本系統図
Williamsの最新の系統図です。付箋のある写本が今回展示した写本です。
今回の2日間の展示では合計12名の方に見てもらいましたが、実際に手に取って感触を実感してもらうにはちょうど良いくらいだったかなと思いました。
最後に岐阜から見えた方には失礼をしてしまいました。少し早めに片づけをしてしまったもので、玄関でファクシミリ本の一部を見ていただくという、申し訳ないことをしてしまいました(雨が上がっていてよかったです)。来月はぜひ早めにお願いします。(私ももう少しゆっくり片付けますが)
次回は2月22日(土)と23日(日)の11:00からを予定しています。
一番小さいコルシーニ写本から1番大きいラス・ウウェルガス写本まで展示の予定ですが、今回の写本の一部も展示したいと思っています。
(ファクンドス写本は縮小版になります)
それではお待ちしています。







  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 21:57Comments(0)写本

2020年01月25日

西洋中世の彩色写本展を行っています。

今日(1月25日)と明日(26日)に、彩色写本展を行っています。
場所は桜町のママトコのレンタルルームです。
どのような感じかをご紹介します。
マドリード写本など
エスコリアル写本など
今回展示したスペインのベアトス黙示録註解書の写本の複製本(ファクシミリ本)9冊です。5写本は、装丁や羊皮紙の風合い・シワの寄り方なども複製されています。
モーガン写本他
こちらはモーガン写本のVol.2とベアトゥス写本の関連本です。
時祷書他
こちらはその他の黙示録写本や時祷書などの本です。壁の大きなパネルは「西洋書物構造史」で、NPO法人「書物の歴史と保存修復に関する研究会」(書物研究会)が作成されたもので、西洋の製本の材料から装丁のいろいろな構造(例えば綴じや花布など)の変遷が分かりやすくまとめられています。
エチオピア聖書他
上の写真の一部で、時祷書の1葉物写本や、コプト語で書かれたエチオピア聖書の写本もあります。エチオピア聖書は昔の綴じ方で綴じられています。
左端に置かれている「図書の修理 とらの巻」は、先の「書物研究会」が制作した本で、正と続の2冊出版されています。本の構造や修理の仕方がわかりやすく説明されています。
書物研へは5年ほど前から製本・修理・修復の勉強に通っていますが、今日は書物研究会の代表の板倉先生にも奈良から見に来ていただきました。遠いところまでわざわざ見に来てくださり、恐縮です。
また、書物研の方や昔お世話になった方々にも足を運んで頂き、ありがとうございました。
今回は初めてのことということもあり、手の行き届かないところが多いですが、ご興味おあり方にはぜひ見に来ていただき、手に取ってゆっくり見ていただければと思います。
26日(日)11:00~16:00
2月にも行う予定です。
2月22日(土)11:00~17:00
2月23日(日)11:00~16:00


  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 23:43Comments(0)写本

2020年01月11日

1月のおもちゃ病院を行いました

遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いします。
2020年最初のおもちゃ病院を行いました。 今日は10名のメンバーが参加しました。
修理中6
今日は開院時のお客さんはほとんどなく、ゆっくり過ごせるかと思ったのですが、その後持ち込まれる方が途切れることがなかったので、結局32件のおもちゃを受けつけ、いつもと変わらない忙しさとなりました。
いくつかの修理例をご紹介します。
スマホ1
スマホのおもちゃですが、ボタンを押しても声が出ないというものでした。中をあけてみると・・
スマホ2
スピーカーの端子の部分が完全に外れていました(スマホの上のスピーカー)。多分スマホを投げたり落としたりした衝撃で端子の部分が破損したのではと思います。修理は難しいので、スピーカー本体を交換(スマホの下のスピーカー)しました。
オルガン2
こちらはオルガンの鍵盤が一部鳴らないという現象でした。鍵盤下のスィッチの清掃でそこそこ鳴るようになったのですが、何か安定しません。鳴ったり鳴らなかったりします。
オルガン1
もう一度よく見たところ、電池Box端子~基板間のリード線がさびていて、端子との半田も外れかかっていました(少し触ったら完全に取れてしまいました)。ここの導通が安定しなかったのが原因のようです。リード線を取り替えた結果、動作が安定するようになりました。
犬1
こちらの犬のぬいぐるみは、スイッチを入れると「ワン」と鳴きかけるのですが、そのあと動作が止まってしまいます。モーターは問題なさそうなのですが、原因がよくわかりません。メンバーに聞いてみたところ、首回りの部分(特にあごの部分)に被せの布が噛みこんでいると、そこでモーターが過負荷になってしまい止まってしまうことがあるそうです。 そこで、首周りまでしっかり被せをとることにしました。
犬2
この状態でもまだ止まってしまいます。
イヌ3
ここまでしっかり脱がすと、ようやく動くようになりました。
あまり噛みこまさないように被せ戻すことで、なんとか連続して「鳴き」⇔「歩行」の動作をするようになりました。

今日はメンバーの修理している様子と持ち物を紹介したいと思います。
修理中4
修理中2
修理中3
各自いろいろな道具を持ってきて修理をしています。手元部品がなければ、もっている人と融通しあって修理をしています。
修理中1
わかりにくいところは相談しながら修理を進めます。構造がどうなっているかを議論しながら確認していくのは楽しいものです。
修理の終わったおもちゃたちです。今日は犬のぬいぐるみが非常に多かったです。
修理済2
次回は2月1日(土)です。 壊れたおもちゃがありましたら是非お持ちください。















  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 23:26Comments(0)おもちゃ修理

2020年01月04日

書見台の製作

今月と来月行う写本(ファクシミリ版ほか)の展示会で使用する書見台を作りました。
書見台は、本を机の上に180度開いた状態で置くと、背の部分に力がかかり過ぎて本が傷むため、本を120度ほど開いた状態で置いておくものです。
開いた本
本が開きすぎないように置いた状態です。
いろいろ構造を考えたのですが、結局一番簡単に作れて、角度の調整もしやすく分解もしやすいということで、平板に角棒を2本接着して溝を作り、それに足の板を差し込む構造にしました。
板
板に角棒をつけた状態です。角棒の間に足となる板を差し込めばOKです。
足付き
足を挿した状態です。足の板の高さを変えると、本を開く角度を変えることができます。
本を乗せた書見台
本を乗せるとこんな感じです。本の背が厚くなれば、2枚の板の間隔をあけて調整します。
とりあえず使えそうなので、これで進めることにしました。ただ、15セットほどつくらないといけなく、結構なボリュームになりそうです。

【展示会内容】
【開催日】  2020年 1月25日(土)、26日(日)11:00~17:00
           2月23日(土)、24日(日) 11:00~17:00
             
【場所】MAMATOCO レンタルスペース
愛知県豊田市桜町2丁目56   

【主要展示物】
 ベアトゥス黙示録註解写本ファクシミリ版 各月 それぞれ9写本 (詳細はこちら
 そのほか黙示録写本・時祷書写本や、オリジナルの写本など





  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 16:52Comments(0)DIY