2020年07月25日

コプト綴じのスケッチブックを作ってみました

いろいろホームページを見ていたら、コプト綴じのスケッチブック(Coptic Stitch Sketchbook)の作り方がYouTubeに載っていました。おもしろそうなので、作ってみることにしました。
材料は100均で買ったスケッチブックです。
001スケッチブック
裏のボール紙を表紙に使うので、ボール紙ができるだけ厚いものがよさそうです。
002裏表紙
まず、すべての用紙を1枚づつ剥がしていきます。接着してあるところが破れないように注意して剥がします。
003ページ剥がし
全部剥がしたところで、4枚一組にして半分に折っていきます。 今回のスケッチブックは1冊50枚だったのと、本紙が薄かったので本当は5枚一組で10折りにしたかったのですが、数ページ使った後だったので、4枚一組で11折りにしました。
005ページを折る
ボール紙も半分に切断します。
006ボール紙切る
本文用紙の折り目に穴をあける印をつけます。幅が25cmだったので、外側から2cmとそこから2.5cmのところに片側3か所、両側に合計6か所印をつけます。
009折り丁の穴
ボール紙にも端から1.5cmのところで同じ位置に印をつけます。
007表紙の穴位置
それぞれに目打ちで穴をあけます。
008表紙の穴
この後、糸で縫っていくのですが、最初のかがり方に特徴があります。 コプト綴じは支持体は使わず、1本の糸で表紙も一緒に綴じあげていきます。 最初1折り目の内側から糸を通し、表紙の外側から内側に通して、折り丁から出た糸にからげて元に戻します。これを繰り返していきます。
0101折り目
010折りの糸
途中から曲り針に変えて綴じました。こちらのほうが針を動かしやすいです。
011曲り針
最後の折り丁のところで、表紙に糸を通してから折り丁を綴じていきます。(言葉ではわかりにくいのでYouTubeを参照してください)
014最後の折り丁

015裏表紙かがり

016最後のかがり
完成品です。
018完成

017完成端部
コプト綴じの特徴は、ページの根元までしっかり開くということでしょうか。
019見開き
支持体を使わないのと表紙も一緒に綴じるので、比較的簡単に作れます。  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 11:51Comments(0)製本

2020年05月10日

文庫本の改装と製本です

奈良の書籍修理・修復教室がコロナの影響で休止状態となっているので、その間の宿題ということで文庫本の改装をすることになりました。
時間があったので、丸背本も作りました。
丸背(天と小口)

まずは普通の角背の改装を2冊です。
(1)表紙となる部分の作成です。
①裏打ちされた表紙布に表紙ボードと背表紙ボードを仮置きして大きさや位置の確認をします。
角背(表紙)
②ボードを貼った後の表側からの様子です。タイトル部分はボード紙を剥がして凹を作ってあります。
角背(表紙表2)
③4隅をカットして表紙布を折り返します。
角背(表紙カット)
(2)次に本文の作成です。文庫本の表紙・背表紙をとったものを用意し、見返しと寒冷紗を貼り、花布と栞をつけたあと、クータを背に貼ります。
①文庫本本体と同じ大きさの見返しを本体に貼ります。
角背(見返し)
②背に寒冷紗を貼ります。
角背(寒冷紗)
③背の上に栞を貼った後、上下に花ぎれを貼ります。
角背(花布栞)
(3)これを表紙に合体させて完成です。
背側を貼った後溝付けをし、見返しと表紙を糊付けします。
2冊とも同じような感じになってしまいました。表紙を柄物にしたほうがよかったかも。
角背(完成)

次は少し雰囲気を変えたかったので、ドイツ装にし背の部分は革でつないでみることにしました。参考にした本に角背ではなく革に芯を入れないことで、丸みを帯びた背になった作品があったので、試してみることに。
(1)まずは、背になる部分の革の漉きです。
①久しぶりの革刀での漉きですが、革が結構扱いやすい硬さだったのでよかったです。上下の折り返し部分と、表紙との重なり部分を漉きました。
ドイツ装(背革漉き)
②一部漉きすぎて欠けてしまいましたが、表に見えるところではないのでよかったです。
ドイツ装(背革漉き2)
(2)次に表紙ボード(表・裏)と背とのつなぎです。
①表紙ボードはあらかじめ表紙布とボードを貼り合わせ、左右のみ折り返しておきます。
表紙ボードと背革を仮止めし、本体に対してチリが均一になるか確認しながら背の幅を決めました。
ドイツ装(仮置き)
②閉じた状態です。上下の部分はまだくるんでいません。この後表紙ボードと背革を接着し、上下の折り返しを行います。
ドイツ装(仮完)
(3)後は通常通り本体に表紙を被せて、見返しと貼り合わせました。 
ドイツ装(完成)

そこそこの出来になったのではと思っていますが、もう少し溝の幅はとったほうがよかったか。 表題をどう入れるかはこれから考えます。

最後にもう一つ。改装ではなく綴じから丸背コーネル装へのトライです。構成品が多く結構面倒です。
(1)まずは本体部分からです。
①今回は4枚1折を11折りを綴じました。大きさは文庫本サイズです。各折り丁に綴じ穴をあけます。今回はテープ綴じとしているので、中央2か所は2つづつの穴です。
丸背(かがり2)
②穴をあけ終わったところです。
丸背(かがり1)
③綴じているところです。
丸背(かがり3)
④綴じ終わりました。
丸背(かがり4)
(2)次に表紙の作成です。
①まず背になる革の部分です。ボードを貼る部分などに線を引き大きさを確認しておきます。
丸背(背寸法)
②上下の折り返す部分と左右の表紙が重なる部分の革を漉きます。今回も少し大きく切り落としてしまいました。折り返し部分なので見えるところではなかったのでよかったです。左右は表紙との重なりが3mmほどしかないので、切り欠かないように注意しながらできるだけ薄く漉きます。
丸背(背漉き)
③表紙角の部分(コーネル)の革の切出しです。左側の紙はコーネルの型紙です。
丸背(コーネル切だし)
④コーネルも折り返しや表紙との重なり部分を漉きます。
丸背(コーネル漉き)
⑤次は表紙の平部分の切出しです。今回はマーブル紙を使いました。形が複雑なので寸法をしっかり確認して線を引きます。
丸背(平寸法)
⑥切出した表紙部です。表面はロウ引きしておきます。
丸背(平切出し)
⑦部品が全部そろったので、表紙を作成します。まずは背の革と表紙ボード・背表紙ボードを貼り、上下を折り返します。
丸背(背貼り)
⑧表側から見た状態です。次にコーネルを貼ります。
丸背(背貼り表)
⑨コーネルを貼った状態です。
丸背(コーネル貼り)
⑩表紙を重ねて位置を確認。
丸背(表紙貼り2)
⑪片方の表紙を貼ったところです。
丸背(表紙貼り)
⑫もう一方の表紙も貼ります。
丸背(表紙貼り完)
(3)表紙と本体ともできたので、これを合わせます。
①まず背の部分だけ糊を塗り、チリの寸法を見ながら位置決め・プレスし、溝部分をコテで溝付けしサイドプレスします。
丸背(本体合わせ)
②その後、見返しを表紙裏に糊付けし、紙をはさんで再度プレス。時々紙を変えながら様子を見ます。
丸背(見返し)
③見返し(遊び紙)と本紙の部分です。本紙は罫線を印刷してノートとして使えるようにしました。
丸背(本体部)
④本紙です。
丸背(本体内部)
⑤天と小口の部分です。
丸背(天と小口)
革の厚みを考えると、溝の幅はもう少しとったほうが良かったかもしれません。










  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 11:06Comments(0)製本

2020年02月02日

絵本の修理

おもちゃの修理を毎月行っている子育て支援センターには、子供がたくさん来るので絵本も置いてあります。先月のおもちゃ修理で、壊れた絵本があったので、預かって直してみることにしました。
どうぶつ絵本1
一冊目は「どうぶつ くらしとかいかた」という本で、いろいろな野生動物の暮らしと飼い方を紹介しています。暮らしはともかく、飼い方を教わってもという気がしたのですが、動物園での飼い方でした。
どうぶつ絵本6
この本は1折りめと10折り目が見返しに貼りこんであり、2折り目から9丁目までが外れてしまっています。針穴部分はそれほど傷んでいないので、綴葉装(てっちょうそう)という縫い方で、外れた折り丁を表紙と裏表紙に固定することにしました。
どうぶつ絵本2
綴じ穴が8か所あるので、4本の糸の両側に針を通してそれぞれの穴から通します。針を8本使うので針が足らず2本は曲げ針を使っています。
どうぶつ絵本3
折り丁を順番に重ねていって、針を上の折り丁の穴に通し、裏側で交差させてまた外に出すを繰り返します。
どうぶつ絵本4
9折りまで進んだところです。このあとどうするか悩んだのですが、折り丁の背に糊を塗って10折り目(裏表紙に貼り込んである折り丁)に綴じることにしました。
どうぶつ絵本5
一晩おいた状態です。綴じ糸が少し太かったので背が厚くなってしまいました。丈夫にと思ったのですがやはりバランスが大事です。
のんたん1
もう一冊はのんたんのシリーズです。
のんたん2
こちらは見返しののどの部分から破れていて、ページもバラバラになっています。こちらも先と同じように綴葉装で綴じるのですが、折り丁の折りの部分が傷んでいるのと補修テープで手直ししてあるのでどうやって補強するかを考える必要があります。また、見返しが外れているので寒冷紗を背に貼り、表紙の見返しと表紙紙の間に貼りこむことになります。
少し時間がかかるので次回にしたいと思います。



  
タグ :絵本の修理


Posted by おもちゃシューリーズ  at 16:57Comments(0)製本

2018年10月07日

絵本の修理ボランティアに参加

昨日(6日)のおもちゃ修理には、急に入った仕事の都合で参加することができませんでした。
今日は高橋町にある「こども図書室」のボランティアに参加しました。
こども図書室
ここは子供が小さいころによく本を借りに来たことがあります。以前はボランティアの運営による図書室でしたが、いまは市の図書館の一施設(分館)として活動を続けているようです。
絵本の修理を主に図書の整理をしているボランティアサークルがあると伺ったので、何かお手伝いできないかとおもい参加を申し込んでいました。
今日は臨時に日曜日に活動が行われたので参加しました。
全部で20数名のメンバーが登録しているそうで、今日は8名ほど参加していました。全体のまとめは常駐の司書さんが行っていて、どういう修理を行うのか、テープで補修するのかどうか、ブッカーをかけるのかなどを判断しています。
始めてでしたので、皆さんの行っていることを見ながら、本の清掃や破れの補修・のどの接着などを行いました。
子供用の本なので、新しい本はブッカーをかけているようですが、破れの補修は基本的tにはテープを使わずのりで行っているとのことでした。ただ、本をばらして糸かがりから補修を行うところまではあまり行っていないようです。やはりどれだけ時間・手間をかけるのかということもあるようです。
これからもできるだけ時間を見つけて参加していきたいと思っています。(修理の写真などを紹介していきたます)
  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 19:26Comments(0)製本

2018年09月02日

書籍修理夏期講習参加

この前の土日(25、26日)ですが、書籍修理・修復講座の夏期講習に参加しました。(NPO法人「書物の歴史と保存修復に関する研究会」が主催している講座に通っています) 毎年8月に奈良図書情報館で開かれ、私は4回目になります。
1年ぶりにお会いする方々とお話することができて楽しい時間を過ごすことができました。
1日目は午後から講演会で、今年は修理・修復にも非常によく使用する和紙について、特に雁皮紙を主として近江のなるこ和紙を製造される成子紙工房の方が話をされました。雁皮紙は非常に薄い紙でかつ水にぬれても強い和紙で、筆で書いてもにじまないそうです。和紙の世界も原料を作る方や紙を漉く道具を作る方など全体的に高齢化が進んでいるので大変なようです。
またお昼前から講座生の作品展の展示会も行われました。いくつか紹介したいと思います。
資料保存入門
(資料保存入門)修理・修復の基礎ということで、本の構造/歴史を中心に学びます。角背・丸背の製本を学び、終了製作として3点の本を製作するのですが、みなさん毎回個性的で凝った作品を作成しています。
修理基礎1
(修理基礎1)一般図書修理に役立つ様々な知識、技法、資料製本と保存箱作りなどを学びます。
修理基礎2
(修理基礎2)一般図書修理のための知識、技術を系統立てて学びます。修理実技の実習、様々な部分修理の例を取り上げながら技術を積み上げます。
実践修理本科
(実践修理本科) 公共図書館、学校図書館の一般書の実用修理技術を学びます。実際の書物を担当して修理します
修復基礎 1
(修復基礎1) 年代別(古典的)製本技法、綴じ方、花布の編み方などを学びます。13世紀、15世紀と18世紀の製本様式を実際に製作します。13世紀と15世紀の本には表紙に木を使うので木工のような作業もあります。また、18世紀の本は工程が多く革も使います。
修復基礎2
(修復基礎2) 修復理論・カルテ・見積り・小規模修復の知識を学ぶとともに、革を使った修復の基礎として革刀を使った革漉き作業を始めます。丸刃を使うのですが、刃のメンテナンスが非常に大事になります
修復本科基礎
(修復本科基礎) 修復に必要な基礎知識として、様々な保存製本と修復小規模技法、及び革の扱いを徹底的に学びます。
修復本科
(実践修復)本科生の方々の行なっている修復の事例紹介です。革装本の修復が主で、オリジナルを生かしながらどのように修復するかが課題になります。このクラスの技術を身につけるにはかなりの経験と勉強が必要です。

2日目はイスラム綴じ製本のワークショップです。綴じ方は支持帯を使用せず2本の糸を使って2か所でケトルステッチで編み上げるように折り丁を綴じていきます。
イスラム綴じ 1
使用する材料はすべてセットにしていただいているので、あとは手順に従って穴をあけたり綴じたりしていく作業になります。
イスラム綴じ 2
綴じた状態の写真です。この中身を今度は表紙と上下で結合します。
イスラム綴じ 3
綴じつけようの糸で背の上下を表紙布と本体の折り丁を巻きつけながら結合していきます。
イスラム綴じ 4
次に飾り糸で綴じつけ糸を編みこんでいきます。これは綴じつけ糸の補強とともに装飾を兼ねているそうです。

飾り糸の綴じ方は特に決まっていなくて、いろいろな装飾の仕方があります。

今年も大変おもしろく勉強になる時間を過ごすことができました。  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 17:49Comments(0)製本