2022年04月15日

『中世ヨーロッパ彩色写本展』のご案内

市民ギャラリーにて、4月28日~5月2日にかけて、彩色写本展を行います。
『中世ヨーロッパ彩色写本展』のご案内
中世のヨーロッパで作られていた手書きの写本の美しさをぜひご覧いただきたく。 (無料です)

スペインで主に制作された黙示録写本が中心ですが、今回は特に時祷書を中心に紹介します。 
時祷書というのは、司祭や修道士ではなく平信徒たちが祈りを捧げるときに用いた書物で、定時の祈りを行うときにどの祈祷を行うのかわかりやすいようにまとめたものです。だんだん豪華になり、貴族やお金持ちにとって豪華な時祷書を所有することは一種のステイタス・シンボルになっていました。
まずは彩色写本の愛好家で有名なフランスのベリー候が制作・所有していた時祷書から2冊。
①ベリー公のいとも豪華な時祷書(美術書)
いろいろな所で紹介されているので、ご覧になった絵もあると思います。
『中世ヨーロッパ彩色写本展』のご案内
1年間の行事が描かれているページです。これは5月の絵で、若い男女が森に出かけ若葉を手折って飾りにする祭りの様子です。
『中世ヨーロッパ彩色写本展』のご案内
これも有名な絵です。12か月を黄道の十二宮と対応させているのと同時に、人間の性格や運命とも密接に対応すると考えられていたようです。

②ベリー公の大時祷書(美術書)
これは大きさが縦40㎝横30㎝と、「いとも豪華な時祷書」の2倍の大きさになります。
『中世ヨーロッパ彩色写本展』のご案内
これもカレンダーを表したもので、10月と11月になります。日付とか曜日の書き方が現在と違うので見方がよくわかりません。しかし、毎年日付と曜日の組み合わせが変わるのに、どうやって使うのか勉強不足でよくわかっていません。

③ヴィスコンティ時祷書(美術書)
ミラノ公ヴィスコンティの注文で2人の画家が手掛けた時祷書です。民間の裕福な人が制作した典型的な時祷書です。独特の装飾に彩られたイニシヤル文字が特徴的です。
『中世ヨーロッパ彩色写本展』のご案内

④ローアン時祷書(美術書)
15世紀前半にフランスのアラゴンのアンジュー侯爵夫人が制作を委託したとされる写本。
『中世ヨーロッパ彩色写本展』のご案内
「横たわる死者とキリストの間で、天使と悪魔が死者の魂を奪い合っている(世界でもっとも美しい装飾写本より)」とのことです。

⑤エティエンヌ シュヴァリエ時祷書(美術書)
 15世紀中頃、印刷術が発明され写本の衰退がはじまる時期に制作された美しい写本です。ただ、挿絵の部分が切り取られた形でしか残っていないため、本の大きさもわかりません。
 『中世ヨーロッパ彩色写本展』のご案内
受胎告知の場面。一点透視の遠近法を用いて、挿絵というより1枚の絵画のような用言になっています。(世界でもっとも美しい装飾写本より)

今回は以上です。 また紹介したいと思います。
展示会にぜひお越しください。








同じカテゴリー(写本)の記事画像
2月の展示写本の紹介
ライブラリー リエバナ 9月の展示お知らせ
ライブラリー リエバナ 8月の展示内容お知らせ
8月6日(日) 瀬戸の銀座生き生きマルシェに参加します
7月30日(日)は15時閉店です
ライブラリー リエバナ 7月の展示内容お知らせ
同じカテゴリー(写本)の記事
 2月の展示写本の紹介 (2024-01-31 12:53)
 ライブラリー リエバナ 9月の展示お知らせ (2023-08-29 18:08)
 ライブラリー リエバナ 8月の展示内容お知らせ (2023-08-01 21:32)
 8月6日(日) 瀬戸の銀座生き生きマルシェに参加します (2023-07-28 19:54)
 7月30日(日)は15時閉店です (2023-07-25 22:19)
 ライブラリー リエバナ 7月の展示内容お知らせ (2023-06-27 10:39)

Posted by おもちゃシューリーズ  at 14:14 │Comments(0)写本

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。