2021年06月28日
ライブラリー リエバナ 7月の展示お知らせ
7月のライブラリー リエバナの展示内容のお知らせです。
4月~6月で一通りのベアトゥス写本を展示しましたので、しばらくは以下のように展示をしていこうと考えています。
【1】今月のBeatus写本 ・・毎月1写本~2写本ずつファクシミリ本を展示
【2】今月のBeatus写本挿絵 ・・同一テーマの挿絵が各写本でどのように描かれているかを紹介
【3】Beatus写本以外の黙示録写本 ・・毎月2~3冊の写本を紹介
【4】彩色写本の紹介 ・・ヨーロッパ中世に作成された彩色写本を毎月2~3冊づつ紹介
7月の展示内容ですが、最近Cardena(カルデーニャ)写本を入手することができたので、それをご紹介したいと思っています。
カルデーニャ写本は1175年~85年にスペイン北部のブルゴス近くのカルデーニャにあるサン ペドロ修道院で制作されました。

縦445㎜幅300㎜とアローヨ写本とほぼ同じ大きさで、145葉に51点の挿絵が描かれています。挿絵は本来もっと多かったものですが、切り取られている部分が結構あります。
盗難にあったこともあるのでしょうか切り取られたページがあちらこちらに保管されていて、主要部分(127葉)はマドリードのアルケオロギコ国立博物館が所蔵していますが、そのほか3か所(フランシスコ・デ・ザバーブル・イ・バサベ図書館(2葉)、ディオチェサ美術館(1葉) メトロポリタン美術館(15葉)に分散されて所蔵されています。

今回のファクシミリ版はそれらすべてを集めて制作されました。
7月の展示はカルデーニャ写本を含めて以下を予定しています。中世の彩色写本の世界を楽しめます。ぜひお越しください。
【1】カルデーニャ写本とライランズ(マンチェスター)写本
ほぼ同時期に制作された2つの写本を比べてください。同系統に属する写本なので同じような構図の挿絵もありますが、それぞれに違ったイメージの挿絵ももちろんあります。


【2】今月のBeatus写本挿絵
今回はキリストの登場場面を比較します。雲に乗って現れるのですが、雲のイメージの仕方にいろいろパーターンがあります。


【3】Beatus写本以外の黙示録写本
今回は1250年前後にイギリスやフランスで制作された3冊の黙示録を紹介します。
(1)トリニティ黙示録(MS.R.16.2 ) 大型の豪華な写本
(2)ドゥース黙示録 (Douce 180) 書きかけの部分があり、挿絵がどういう手順で書かれていたかがわかる珍しい写本
(3)パリ黙示録 (Ms.Français 403) 淡い彩色の写本
【4】彩色写本の紹介
今回は中世の写本蒐集家(芸術愛好家)として有名なベリー公が制作した時祷書を3冊紹介します
ベリー公ジャン1世(Jean Ier, 1340年11月30日 - 1416年3月15日)の領地はフランス中部サントル地方、首都はブールジュで、ロワール川と森の素晴らしいところのようです。写本の一部はベリー公の死後に完成されたものもあります。

①ベリー公の豪華時祷書(Les Très Riches Heures du Duc de Berry) 名前の通り豪華なことで有名な写本です。きっとどこかで目にしていることがある時祷書です。

②ベリー公のうるわしき時祷書(Les Belles Heures du Duc de Berry) 小型の時祷書ですが172の挿絵が描かれています。

③ベリー公の大時祷書(Grandes Heures du Duc de Berry) 400㎜×300㎜と大型の時祷書です。

時祷書・・時祷(禱)書(じとうしょ、ラテン語: horae, 英語: primer, book of hours)は、現存するものの中ではもっとも多く存在している中世装飾写本である。内容はそれぞれ異なっているが、祈祷文や詩編を集成し、内容に合わせた挿絵をつけて、ローマ・カトリック教会のキリスト教徒としての信仰・礼拝の手引きとして編集したものである。(Wikipediaより)
7月は毎週日曜日(4日、11日、18日、25日)に開館です。ぜひお越しください。
4月~6月で一通りのベアトゥス写本を展示しましたので、しばらくは以下のように展示をしていこうと考えています。
【1】今月のBeatus写本 ・・毎月1写本~2写本ずつファクシミリ本を展示
【2】今月のBeatus写本挿絵 ・・同一テーマの挿絵が各写本でどのように描かれているかを紹介
【3】Beatus写本以外の黙示録写本 ・・毎月2~3冊の写本を紹介
【4】彩色写本の紹介 ・・ヨーロッパ中世に作成された彩色写本を毎月2~3冊づつ紹介
7月の展示内容ですが、最近Cardena(カルデーニャ)写本を入手することができたので、それをご紹介したいと思っています。
カルデーニャ写本は1175年~85年にスペイン北部のブルゴス近くのカルデーニャにあるサン ペドロ修道院で制作されました。
縦445㎜幅300㎜とアローヨ写本とほぼ同じ大きさで、145葉に51点の挿絵が描かれています。挿絵は本来もっと多かったものですが、切り取られている部分が結構あります。
盗難にあったこともあるのでしょうか切り取られたページがあちらこちらに保管されていて、主要部分(127葉)はマドリードのアルケオロギコ国立博物館が所蔵していますが、そのほか3か所(フランシスコ・デ・ザバーブル・イ・バサベ図書館(2葉)、ディオチェサ美術館(1葉) メトロポリタン美術館(15葉)に分散されて所蔵されています。
今回のファクシミリ版はそれらすべてを集めて制作されました。
7月の展示はカルデーニャ写本を含めて以下を予定しています。中世の彩色写本の世界を楽しめます。ぜひお越しください。
【1】カルデーニャ写本とライランズ(マンチェスター)写本
ほぼ同時期に制作された2つの写本を比べてください。同系統に属する写本なので同じような構図の挿絵もありますが、それぞれに違ったイメージの挿絵ももちろんあります。
【2】今月のBeatus写本挿絵
今回はキリストの登場場面を比較します。雲に乗って現れるのですが、雲のイメージの仕方にいろいろパーターンがあります。
【3】Beatus写本以外の黙示録写本
今回は1250年前後にイギリスやフランスで制作された3冊の黙示録を紹介します。
(1)トリニティ黙示録(MS.R.16.2 ) 大型の豪華な写本
(2)ドゥース黙示録 (Douce 180) 書きかけの部分があり、挿絵がどういう手順で書かれていたかがわかる珍しい写本
(3)パリ黙示録 (Ms.Français 403) 淡い彩色の写本
【4】彩色写本の紹介
今回は中世の写本蒐集家(芸術愛好家)として有名なベリー公が制作した時祷書を3冊紹介します
ベリー公ジャン1世(Jean Ier, 1340年11月30日 - 1416年3月15日)の領地はフランス中部サントル地方、首都はブールジュで、ロワール川と森の素晴らしいところのようです。写本の一部はベリー公の死後に完成されたものもあります。
①ベリー公の豪華時祷書(Les Très Riches Heures du Duc de Berry) 名前の通り豪華なことで有名な写本です。きっとどこかで目にしていることがある時祷書です。
②ベリー公のうるわしき時祷書(Les Belles Heures du Duc de Berry) 小型の時祷書ですが172の挿絵が描かれています。
③ベリー公の大時祷書(Grandes Heures du Duc de Berry) 400㎜×300㎜と大型の時祷書です。
時祷書・・時祷(禱)書(じとうしょ、ラテン語: horae, 英語: primer, book of hours)は、現存するものの中ではもっとも多く存在している中世装飾写本である。内容はそれぞれ異なっているが、祈祷文や詩編を集成し、内容に合わせた挿絵をつけて、ローマ・カトリック教会のキリスト教徒としての信仰・礼拝の手引きとして編集したものである。(Wikipediaより)
7月は毎週日曜日(4日、11日、18日、25日)に開館です。ぜひお越しください。
2021年06月27日
6月の絵本病院と7月のおもちゃ病院
6月26日に 子育て支援センタ「あいあい」(松坂屋9階)で、絵本病院を行いました。

この日は4冊の修理依頼のほかに、センタの絵本3冊の修理を行いました。
修理依頼の4冊はいずれも厚手の絵本で背が外れてしまっているものが2冊、仕掛け絵本の修理が2冊でした。
①背の外れた図鑑

これは表紙が外れて本文の糸綴じも緩くなっているので、綴じ直しからする必要があります。
②こちらも背の壊れた図鑑

こちらも表紙が外れかかっています。糸綴じではなく接着なので、背と本文を別々に表紙と接続する必要があります。
③仕掛け絵本が2冊

こちらは仕掛け部と本体が取れてしまってセロテープで補修してあります。

こちらは表紙を開閉するとアンパンマンの顔が変わるのですが、仕掛け部が折れてしまってうまく動かなくなっています。
修理に少し時間がかかりそうですが、進捗を後日紹介したいと思います。
センタからの修理はいずれもページがのど元から破れてしまったもので、まずは和紙で接続することにしました。また破れてしまうようならもう少し厚手の和紙で補修します。
ノドで破れたページ

ノドを和紙で接続

こちらもノドで破れています。

和紙で接続

同様な破れ方です。

和紙で接続後です。

やはりその場での補修はしっかり乾かすまで時間が取れないので、どこまで修理できているかが少し心配です。おもちゃの修理とは違い、ノリでの補修がメインとなるので、しっかり乾かすという時間を取る必要があります。
次週、おもちゃ修理を7月3日(土)に行います。
受付:10:30~12:30
開院:10:30~14:00
です。
よろしくお願いします。
この日は4冊の修理依頼のほかに、センタの絵本3冊の修理を行いました。
修理依頼の4冊はいずれも厚手の絵本で背が外れてしまっているものが2冊、仕掛け絵本の修理が2冊でした。
①背の外れた図鑑
これは表紙が外れて本文の糸綴じも緩くなっているので、綴じ直しからする必要があります。
②こちらも背の壊れた図鑑
こちらも表紙が外れかかっています。糸綴じではなく接着なので、背と本文を別々に表紙と接続する必要があります。
③仕掛け絵本が2冊
こちらは仕掛け部と本体が取れてしまってセロテープで補修してあります。
こちらは表紙を開閉するとアンパンマンの顔が変わるのですが、仕掛け部が折れてしまってうまく動かなくなっています。
修理に少し時間がかかりそうですが、進捗を後日紹介したいと思います。
センタからの修理はいずれもページがのど元から破れてしまったもので、まずは和紙で接続することにしました。また破れてしまうようならもう少し厚手の和紙で補修します。
ノドで破れたページ
ノドを和紙で接続
こちらもノドで破れています。
和紙で接続
同様な破れ方です。
和紙で接続後です。
やはりその場での補修はしっかり乾かすまで時間が取れないので、どこまで修理できているかが少し心配です。おもちゃの修理とは違い、ノリでの補修がメインとなるので、しっかり乾かすという時間を取る必要があります。
次週、おもちゃ修理を7月3日(土)に行います。
受付:10:30~12:30
開院:10:30~14:00
です。
よろしくお願いします。
2021年06月20日
6月の絵本病院は実施します
新型コロナ緊急事態宣言で中止した5月22日の絵本病院ですが、6月20日で解除されることになりましたので、6月26日の絵本病院は予定通り行います。
修理の依頼をされていました方は遅くなりましたが、子育て支援センター「あいあい」(松坂屋9階)にお越しいただきますようお願いします。
6月26日(土)13:00~16:00になります。

(写真は昨年の再開時のものです)
修理の依頼をされていました方は遅くなりましたが、子育て支援センター「あいあい」(松坂屋9階)にお越しいただきますようお願いします。
6月26日(土)13:00~16:00になります。

(写真は昨年の再開時のものです)
2021年06月14日
豊田まちなかサポーター店に参加します
「ライブラリー リエバナ」が豊田市のまちなか宣伝会議が実施しているまちなかサポーター店に参加します。

まちなかサポーター店というのは、豊田市のまちなかで行われるスポーツの試合や大型展覧会を対象に、観戦・観覧チケット等をお持ちになったお客様にお得な特典を提供することで、来店の機会を増やそうという取り組みのようです。
いろいろお店情報の発信の機会が増えるということなので、名前を知ってもらうことが第一の出来立ての店舗には何よりの機会なので参加しました。
詳しくはこちらを参照ください。店舗の性格上、美術館の特別催事鑑賞券が お得なクーポン券として使っていただけるサポートに参加します。全商品10%引きとさせていただきます。
2021年07月10日(土) ~ 09月20日(月) に豊田市美術館で開催の「生誕150年記念 モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて」の鑑賞チケットをご提示いただきますと割引サービスをさせていただきます。
ご利用は鑑賞日当日となります。
ぜひお越しください。


まちなかサポーター店というのは、豊田市のまちなかで行われるスポーツの試合や大型展覧会を対象に、観戦・観覧チケット等をお持ちになったお客様にお得な特典を提供することで、来店の機会を増やそうという取り組みのようです。
いろいろお店情報の発信の機会が増えるということなので、名前を知ってもらうことが第一の出来立ての店舗には何よりの機会なので参加しました。
詳しくはこちらを参照ください。店舗の性格上、美術館の特別催事鑑賞券が お得なクーポン券として使っていただけるサポートに参加します。全商品10%引きとさせていただきます。
2021年07月10日(土) ~ 09月20日(月) に豊田市美術館で開催の「生誕150年記念 モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて」の鑑賞チケットをご提示いただきますと割引サービスをさせていただきます。
ご利用は鑑賞日当日となります。
ぜひお越しください。
2021年06月12日
ライブラリー リエバナの動画紹介
Vits豊田タウンの方が店舗紹介の動画をYouTubeにアップしてくれていて、そのなかでライブラリーの紹介もしていただいています。店舗への入り口がわかりにくかったこともあり、そこから説明していただいていて わかりやすい動画になっています。 ぜひご覧ください。こちらからご覧いただけます。(音声が入ります)
YouTubeで「リエバナ」で検索いただいても結構です。

ご興味のある方はぜひお越しください。
毎日曜日(11:00~17:30)に開店しています。
YouTubeで「リエバナ」で検索いただいても結構です。
ご興味のある方はぜひお越しください。
毎日曜日(11:00~17:30)に開店しています。
2021年06月05日
6月の『ライブラリー リエバナ』の開店日と展示写本のお知らせ
6月度のライブラリー リエバナの開店日と展示する写本(ファクシミリ版)をお知らせします。

6月は日曜日のみ開館します。
6月 6日(日)
6月13日(日)
6月20日(日)
6月27日(日)
毎回 Open 11:00 ~ Close 17:30 です。
6月からの展示写本を紹介します。 主に12世紀から13世紀に制作された写本になります。大きな写本が多いです。
こちらでも案内をしていますので参照ください。
①ライランズ(マンチェスター)写本 1175年頃制作 縦454 横326 の大型写本
248葉に110点の挿絵が描かれています。


②ラス ウェルガス写本 1220年9月に制作 縦530 横340とベアトゥス写本群で最大の写本です。 重さが11㎏あり持ち運ぶにも一苦労です。
184葉に112点の挿絵が描かれています。



③アローヨ写本 13世紀前半に制作? 縦440 横305とライランズ写本とほぼ同じ大型写本
167葉に69点の挿絵が金銀をふんだんに使った豪華な彩色で描かれています。




④ロルバオ(リスボン)写本 1189年に制作 縦345 横245 の中型写本
219葉に66点の挿絵が描かれている。黄色とオレンジ色の発光顔料のような彩色画が特徴。




⑤ベルリン写本 12世紀に中部イタリアで制作された珍しい写本 縦302 横190 の比較的小型の写本
98葉に55点の線描画を主体の挿絵が描かれている。着色はほとんどされていない。



このほかに 一番小さな写本であるコルシーニ写本と最初期に制作されたマドリード写本(Vit.14-1)も併せて展示します。
⑥コルシーニ写本 縦170 幅 95の一番小さな写本で、片手で軽く持てます。12世紀初頭の制作。



⑦マドリード写本 10世紀半ば頃制作されたと考えられています。 モーガン写本と並んで最初期の写本です。



興味のある方はぜひお越しください。
6月は日曜日のみ開館します。
6月 6日(日)
6月13日(日)
6月20日(日)
6月27日(日)
毎回 Open 11:00 ~ Close 17:30 です。
6月からの展示写本を紹介します。 主に12世紀から13世紀に制作された写本になります。大きな写本が多いです。
こちらでも案内をしていますので参照ください。
①ライランズ(マンチェスター)写本 1175年頃制作 縦454 横326 の大型写本
248葉に110点の挿絵が描かれています。
②ラス ウェルガス写本 1220年9月に制作 縦530 横340とベアトゥス写本群で最大の写本です。 重さが11㎏あり持ち運ぶにも一苦労です。
184葉に112点の挿絵が描かれています。
③アローヨ写本 13世紀前半に制作? 縦440 横305とライランズ写本とほぼ同じ大型写本
167葉に69点の挿絵が金銀をふんだんに使った豪華な彩色で描かれています。
④ロルバオ(リスボン)写本 1189年に制作 縦345 横245 の中型写本
219葉に66点の挿絵が描かれている。黄色とオレンジ色の発光顔料のような彩色画が特徴。
⑤ベルリン写本 12世紀に中部イタリアで制作された珍しい写本 縦302 横190 の比較的小型の写本
98葉に55点の線描画を主体の挿絵が描かれている。着色はほとんどされていない。
このほかに 一番小さな写本であるコルシーニ写本と最初期に制作されたマドリード写本(Vit.14-1)も併せて展示します。
⑥コルシーニ写本 縦170 幅 95の一番小さな写本で、片手で軽く持てます。12世紀初頭の制作。
⑦マドリード写本 10世紀半ば頃制作されたと考えられています。 モーガン写本と並んで最初期の写本です。
興味のある方はぜひお越しください。