2024年01月31日

2月の展示写本の紹介

2月のライブラリーリエバナ展示写本の紹介です。

2月は中世前期に描かれた黙示録写本を中心にみていただきます。
10世紀後半にスペインで製作された4点のベアトゥス黙示録写本と、ベアトゥス黙示録写本群と同時期、11世紀初頭のオットー朝のドイツで製作された黙示録写本1点を展示します。

(1)コゴーリャ写本(Cogolla codex)   途中まで10世紀半ばに書かれ、その後200年近く中断された後12世紀第1四半期に制作が再開された写本。
そのために49点の挿絵がありますが、前半はモサラベ様式の画風で、後半はロマネスク様式となり、挿絵の画風が大きく変わっています。

下図は 10世紀に書かれた挿絵です。

   

 

下図は12世紀に書かれた挿絵です。



同じ写本のなかでこれだけ違う画風の挿絵が描かれるのも珍しいと思います。

(2)ウルジェイ写本 (Urgell Codex)  10世紀後半にスペイン北部のアストゥリアス東部で作られた。ロマネスク様式のモサラベ風の90の彩色挿絵が描かれています。


     
(3)エスコリアル写本  エスコリアル写本は950年頃にサン・ミジャン・デ・ラ・コドーリャ修道院で制作されました。ここではほぼ同時期にいくつものベアトゥス写本が制作されました。
マドリード写本とほぼ同じ大きさで、151葉に52点の挿絵が描かれています。マドリード写本ほどではないが、明らかな切り取り跡が4か所あるのは残念です。また、挿絵がページ端で途切れている絵もあることから、もとはもう少し大きかったものを裁断したと思われます。


  


(4)ジローナ写本  1月に引き続きの展示です。114点の挿絵はほぼ完全な姿で残っており、写本の大きさも縦が約400 ㎜ もあり、12 世紀以降に制作されたマンチェスター写本などを除けばウルジェイ写本と並び当時最大の写本でした。

写本の最後の署名から、976 年7 月6 日におそらくタバラの修道院で完成しました。

 



(5)バンベルク写本 バンベルク黙示録は、1000年頃にボーデン湖畔のライヒェナウ島にあるベネディクト会修道院の修道士が、980年から1002年まで神聖ローマ皇帝オットー3世の要請を受けて作成し、後に「聖人」として知られる後継者ヘンリー2世の命令で完成させた写本です。
295 x 205 mmの106のフォリオに、57の挿絵はほとんどフルページの大きさで、すべて金で装飾された豪華な彩色写本です。

 
 


ヨーロッパ中世の写本の世界が味わえます。
ライブラリーリエバナの場所は、豊田市駅からすぐ近くのVITS豊田タウンの地下1階(旧市民ギャラリー前)です。 外階段から降りてください。ぜひお越しください。


  


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2023年08月29日

ライブラリー リエバナ 9月の展示お知らせ

9月の展示内容をご紹介します。

9月は8月に引き続き『異形の中世』と銘打ち、中世写本とブリューゲルの版画に描かれた異形やハイブリットな生きものを紹介したいと思います。


ベアトゥス黙示録註解書の写本群を「マドリード写本」と「エスコリアル写本」という10世紀中ごろに制作された2冊の写本に入れ替えます。



(H.P.での確認をお願いします)

【詩篇に描かれた怪物】
(1)ラットレル詩編(Luttrell Psalter)
1325年~1340年にイギリス北部の裕福な土地所有者ラットレル卿によって作成された大部の写本。
本文周縁部に中世の生活(農業、狩猟、娯楽、音楽制作)が描かれるとともに、人間の頭、動物/魚/鳥の体、植物の尾を組み合わせた想像上のハイブリッド怪物が多数描かれています。



  
(2)マックルズフィールド詩編(Macclesfield Psalter)
1330-1340年頃のイギリス東部で制作された小型の写本。
擬人化された動物たちが当時の人々が楽しんだ狩りや馬上槍試合に興じたり、ネズミが猫をやっつけ、兎が猟犬を獲物にひっさげてさかさまの世界が展開され、お猿のお医者さんが薬を処方し、狐の司祭がアヒルに説教するなど痛烈な風刺が披露されたりしています。



    


【ベアトゥス写本の怪物】
黙示録に描かれている数々の災いを起こす怪物を想像力豊かに具象化して描いています。 写本の挿絵師によりその描かれ方はまちまちです。
(1)マドリード写本
10世紀半ば又は前半に制作されたベアトゥス写本の初期の姿を残す写本で、系統図やダニエル書の挿絵は含まれていません。
挿絵には赤・青・黄だけでなく薄緑色やうすオレンジ色などいろいろな色が使用されている。





   
(2)エスコリアル写本
950年頃制作された写本。
大きくてギザギザの翼をもつ天使の姿が特徴。挿絵の枠に収まりきらず、はみ出して描かれている。





    
【ブリューゲルの版画から】
ピーテル・ブリューゲル(1525年から1530年頃 – 1569年9月9日)は、16世紀のブラバント公国(現在のオランダ)の画家。同名の長男と区別するため「ブリューゲル(父、または老)」と表記されることが多い。
版画も風景画のほかに寓意画も多く、シリーズ「7つの大罪」「7つの徳目」や「聖アントニウスの誘惑」「忍耐」「大きな魚は小さな魚を食う」などが有名です。


   




ヨーロッパ中世の写本の世界が味わえます。
場所は、豊田市駅からすぐ近くのVITS豊田タウンの地下1階(旧市民ギャラリー前)です。 外階段から降りてください。ぜひお越しください。

※ 9月より営業時間を30分前出しし、10:00~17:00 とします。 

よろしくお願いします。  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 18:08Comments(0)写本

2023年08月01日

ライブラリー リエバナ 8月の展示内容お知らせ

ヨーロッパ中世の彩色写本をファクシミリ版を中心に展示しているライブラリーリエバナです。

8月度の展示と開店日のお知らせです。 開店日はH.P.で確認をお願いします。

8月は『異形の中世』と銘打ち、中世写本に描かれた異形やハイブリットな生きものを紹介したいと思います。あわせて、中世後期になりますが、ブリューゲルの版画に描かれた怪物も紹介します。




【詩篇に描かれた怪物】
(1)ラットレル詩編(Luttrell Psalter)
 1325年~1340年にイギリス北部の裕福な土地所有者ラットレル卿によって作成された大部の写本。
 本文周縁部に中世の生活(農業、狩猟、娯楽、音楽制作)が描かれるとともに、人間の頭、動物/魚/鳥の体、植物の尾を組み合わせた想像上のハイブリッド怪物が多数描かれています。




(2)マックルズフィールド詩編(Macclesfield Psalter)
 1330-1340年頃のイギリス東部で制作された小型の写本。
 擬人化された動物たちが当時の人々が楽しんだ狩りや馬上槍試合に興じたり、ネズミが猫をやっつけ、兎が猟犬を獲物にひっさげてさかさまの世界が展開され、お猿のお医者さんが薬を処方し、狐の司祭がアヒルに説教するなど痛烈な風刺が披露されたりしています。




【ベアトゥス写本の怪物】
黙示録に描かれている数々の災いを起こす怪物を想像力豊かに具象化して描いています。 写本の挿絵師によりその描かれ方はまちまちです。
(1)オスマ写本




(2)ナバーラ写本






【ブリューゲルの版画から】
ピーテル・ブリューゲル(1525年から1530年頃 - 1569年9月9日)は、16世紀のブラバント公国(現在のオランダ)の画家。同名の長男と区別するため「ブリューゲル(父、または老)」と表記されることが多い。
版画も風景画のほかに寓意画も多く、シリーズ「7つの大罪」「7つの徳目」や「聖アントニウスの誘惑」「忍耐」「大きな魚は小さな魚を食う」などが有名です。











ヨーロッパ中世の写本の世界が味わえます。
場所は、豊田市駅からすぐ近くのVITS豊田タウンの地下1階(旧市民ギャラリー前)です。 外階段から降りてください。ぜひお越しください。
  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 21:32Comments(0)写本

2023年07月28日

8月6日(日) 瀬戸の銀座生き生きマルシェに参加します

8月6日(日)ですが、瀬戸市の銀座通り商店街で行われる『銀座生き生きマルシェ』に参加します。
(ただし、場所がアーケード下ではないので、雨天の場合は出店しません)


場所は②です。




ぜひお越しください。

  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 19:54Comments(0)写本マルシェ・古本市

2023年07月25日

7月30日(日)は15時閉店です

7月30日(日)は、豊田市『おいでん祭り』の花火大会が行われます。
それにともない交通規制が行われるので、15時閉店とさせていただきます。


よろしくお願いします。  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 22:19Comments(0)写本

2023年06月27日

ライブラリー リエバナ 7月の展示内容お知らせ

ヨーロッパ中世の彩色写本をファクシミリ版を中心に展示しているライブラリーリエバナです。

7月度の展示と開店日のお知らせです。 開店日はH.P.で確認をお願いします。

今月は先月に引き続き、ベアトゥス写本群の前後の時代の挿絵入り黙示録写本も一緒に展示し、黙示録写本の大きな流れを見てみたいと思います。 





『黙示録』写本の中で、とりわけ重要な3つの系譜があります。
それらは①4、5世紀に誕生し、9、10世紀まで盛んに制作された初期中世黙示録写本群と、
②9世紀から13世紀にかけてスペインを中心に興隆したベアトゥス黙示録写本群、
そして③13世紀にイギリスに端を発する英仏『黙示録』群です。
それぞれ際立った特徴をもつこれらの黙示録写本をひもとくならば、中世の美術の流れを一望することができます。
(田中久美子「世界でもっとも美しい装飾写本」より)

今月は先月に続きそれぞれの系譜の代表的な写本を展示します。

①【ベアトゥス黙示録写本以前の黙示録写本】

(ヴァランシエンヌ黙示録写本)
9世紀初頭(第1四半期)にフランスあるいはドイツで制作されたカロリングスタイルの黙示録写本で、トリーア黙示録写本とともに残存する最初期の挿絵入り黙示録写本。


(バンベルグ黙示録写本)
制作は11世紀初頭とベアトゥス黙示録写本の制作時期と重なりますが、オットー3世が制作を依頼した金色の地が特徴の豪華写本で、現存する唯一の挿絵入りオットー黙示録写本です。 挿絵は立体感のないフラットな書き方が特徴で、ベアトゥス写本群とはまったく異なった作風です。


③【ベアトゥス黙示録写本以後の黙示録写本】
(ゲッティ黙示録写本)

13世紀から流行した英仏黙示録の一つ。 41葉の上半分に彩色挿絵が描かれ、下半分に黒インクで黙示録本文が、赤インクでベレンガウドゥスの註解書が書かれています。


(パリ黙示録写本)  
13世紀に突如流行となった英仏黙示録の初期の写本。オリジナルは展示本の約1.5倍の大きさになる。
 黙示録前後のヨハネの生涯部分は2段構成の全ページ挿絵、黙示録本文は半頁大挿絵を上部に配している。


②【ベアトゥス黙示録写本群から】
(モーガン写本)

モーガン写本では挿絵に枠取りをして、画面の地を幾つかの帯状色面で抽象的に処理する手法は、輝くばかりの色彩効果や破綻なく図像をまとめ上げる構図上の機能などにおいて、以降の写本の手本になったといえる写本。


(コゴーリャ写本)
途中まで10世紀半ばに書かれ、その後200年近く中断された後12世紀第1四半期に制作が再開された写本。
そのために49点の挿絵がありますが、前半はモサラベ様式の画風で、後半はロマネスク様式となり、挿絵の画風が大きく変わっています。


(ファクンドゥス写本)
13世紀に制作されたラス ウェルガス写本とともに、修道院ではなく王室の依頼で制作された唯一のベアトゥス写本です。
金・銀・紫がふんだんに使用され、豪華な挿絵が98点描かれています。


(ウェルガス写本)
1220年という最も遅い時期に制作された最も大型の写本。
ヨハネの黙示録に関する約70点の挿絵とダニエル書の聖ヒエロニムスによる解説に伴う10点の挿絵を含む。


ヨーロッパ中世の写本の世界が味わえます。
場所は、豊田市駅からすぐ近くのVITS豊田タウンの地下1階(旧市民ギャラリー前)です。 外階段から降りてください。ぜひお越しください。

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2023年05月29日

ライブラリー リエバナ 6月の展示内容お知らせ

ヨーロッパ中世の彩色写本をファクシミリ版を中心に展示しているライブラリーリエバナです。

6月度の展示と開店日のお知らせです。 開店日はH.P.で確認をお願いします。

今月は、ベアトゥス写本群の前後の時代の挿絵入り黙示録写本も一緒に展示し、黙示録写本の大きな流れを見てみたいと思います。





『黙示録』写本の中で、とりわけ重要な3つの系譜があります。
それらは①4、5世紀に誕生し、9、10世紀まで盛んに制作された初期中世黙示録写本群と、
②9世紀から13世紀にかけてスペインを中心に興隆したベアトゥス黙示録写本群、
そして③13世紀にイギリスに端を発する英仏『黙示録』群です。
それぞれ際立った特徴をもつこれらの黙示録写本をひもとくならば、中世の美術の流れを一望することができます。
(田中久美子「世界でもっとも美しい装飾写本」より)

今月と来月はそれぞれの系譜の代表的な写本を展示します。

【ベアトゥス黙示録写本以前の黙示録写本】
(トリーア黙示録写本)
9紀初期(800年頃)制作された、挿絵入り黙示録写本で残存する一番古い写本。75葉の羊皮紙に74の挿絵が全頁大でカロリング朝様式で描かれています。



(ヴァランシエンヌ黙示録写本)
9世紀初頭(第1四半期)にフランスあるいはドイツで制作されたカロリングスタイルの黙示録写本で、トリーア黙示録写本とともに残存する最初期の挿絵入り黙示録写本。



【ベアトゥス黙示録写本以後の黙示録写本】
(トリニティ黙示録写本)
13世紀半ばに英仏で流行した黙示録の中でも特異な位置にある黙示録。当時の写本としては大判(435×320)の写本で、豪華絢爛に彩色されていることから、高貴な身分の人に献呈されたと考えられる。



(ドゥース黙示録写本)
13世紀から14世紀に英仏で多く作られた黙示録写本の系統の一つです。
未完の写本のため、彩色途中の挿絵が多数あり、当時の彩色手順などがよくわかる写本です。



【ベアトゥス黙示録写本群から】 

(エスコリアル写本)
950年頃にサン・ミジャン・デ・ラ・コドーリャ修道院で制作されました。ここではほぼ同時期にいくつものベアトゥス写本が制作されました。青や赤はあまり使用されず、代わりに黄色や泥がかった茶色・ダークグリーンが使われています。



(ジローナ写本)
写本の最後の署名から、976年7月6日におそらくタバラの修道院で完成しました。挿画はエメテリウス(タバラ写本も制作)とエンが行いました。エンは女性名で修道女と考えられます。



(サン・スヴェール写本)
ベアトゥス写本の中で唯一ピレネー山脈を越えたフランスの修道院で制作された写本。11世紀中頃の作品。
挿絵は2頁大の挿絵が5点、全頁大が36点あります。
モサラベ様式の中にロマネスク様式がまざった挿絵が見られる。



(ライランズ写本(マンチェスター写本))
ほぼ完全な状態で保存されてきた数少ない写本です。後期‎‎カロリング文字‎が2列に書かれ、110点の挿絵が金銀で鮮やかに彩られています。12世紀後半の写本で、ベアトゥッス差本群のなかでは後期の大型写本。



ヨーロッパ中世の写本の世界が味わえます。
場所は、豊田市駅からすぐ近くのVITS豊田タウンの地下1階(旧市民ギャラリー前)です。 外階段から降りてください。ぜひお越しください。

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Posted by おもちゃシューリーズ  at 07:45Comments(0)写本

2023年05月15日

ライブラリーリエバナ 5月18日(木)はお休みです。

直前ですみませんが、5月18日(木)はお休み です。




今月はレオナルド・ダ・ヴィンチの手稿4点を展示しています。うち3点は、ダ・ヴィンチが当時使用していた手帳をそのまま復元したものです。大きさや破れ・汚れなどもそのまま再現されています。
当時のダ・ヴィンチの気分になってみましょう。






  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 14:40Comments(0)写本

2023年04月30日

ライブラリー リエバナ 5月の展示内容お知らせ

ヨーロッパ中世の彩色写本をファクシミリ版を中心に展示しているライブラリーリエバナです。

5月度の展示と開店日のお知らせです。





5月14日(日)・・瀬戸市末広町商店街で行われる『招き猫マルシェ』出店で休みます。

5日(金)は14:00~開店、25日(木)は13:00~の開店です。

今月は、ベアトゥス写本群のなかで系統Ⅱ群aに分類されている写本2点と、時期はベアトゥス写本から400年ほど下りますが特別展示としてレオナルド・ダ・ヴィンチの手稿4点を展示します。

写本も手稿も手書きされたものをさすのですが、特に手稿は著作者本人が作成したものという意味が含まれているようです。 未解読の文字が記され、多数の奇妙な絵が描かれていることが特徴のVoynich Manuscriptは、ヴォイニッチ手稿ともヴォイニッチ写本とも呼ばれます。

《ベアトゥス黙示録註解書写本群から》
【ファクンドゥス写本】1047年に制作された写本。写字・挿画としてファクンドゥスの署名からその名で呼ばれています。13世紀に制作されたラス ウェルガス写本を除くと、修道院ではなく王室(フェルナンド1世)の依頼で制作された唯一のベアトゥス写本です。 別名『フェルナンド1世と王妃サンチャの写本』と呼ばれています。金・銀・紫がふんだんに使用され、豪華な挿絵が98点描かれています。



【シロス写本】写字が1091年に完成してから挿絵がすべて書き終えられたのが18年後の1109年という写本です。図形化したモサラベ様式の挿絵が描かれており、挿絵の地には江戸小紋のような細かな梅花文がちりばめられ、人体も山岳も動物も完全に扁平で均質な文様世界として描かれています。最後のモサラベ作品といわれるゆえんです。(「ロマネスク美術とその周辺」辻佐保子より)


《レオナルド・ダ・ヴィンチ手稿より》

レオナルド・ダ・ヴィンチ手稿は、レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci、1452年4月15日 – 1519年5月2日)が約40年間にわたって書き綴ったノートで、書き残した全手稿のうち約3分の2が失われ、現存するのは約5000ページと言われています。(Wikipediaより)  完成された絵画のすくないレオナルド・ダ・ヴィンチの業績を知るうえで素描集とともに重要なものとなっています。

【トリヴルツィオ手稿】 1487-90頃  51紙葉
レオナルド最初期の科学的考察を伝える貴重なノート。
ラテン語語彙集のほかに,警句,諧謔詩,金言,さらに戯画やスケッチ,機械の草案などが含まれる。



【鳥の飛翔に関する手稿】 1505年  20紙葉
鳥の飛翔の精緻な観察を通して,空気中の飛行原理を力学的に追求した。




【マドリード手稿】 1493-1505年頃 Ⅰ:184紙葉、Ⅱ:158紙葉
Ⅰ時計を含む種々様々な機械構造と機械理論に関する考察


Ⅱアルノ川の流れを変えるプロジェクト、『アンギアーリの戦い』、透視図法と光学、フランチェスコ・スフォルツァ(Francesco Sforza)の騎馬像鋳造など



【レスター手稿】 1505、1507-8年 36紙葉
科学的観察および考察がまとめられたノート。
月の満ち欠けや天体の運動などを扱う天文学、流水を扱う流体力学及び治水など、また、地殻の変動や地球の内部構造についての地球物理学的考察が、鏡面文字で書きこまれている。ビル・ゲイツ所有。


ヨーロッパ中世の写本の世界が味わえます。
場所は、豊田市駅からすぐ近くのVITS豊田タウンの地下1階(旧市民ギャラリー前)です。 外階段から降りてください。ぜひお越しください。

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2023年03月28日

ライブラリー リエバナ 4月の展示内容お知らせ

ヨーロッパ中世の彩色写本をファクシミリ版を中心に展示しているライブラリーリエバナです。

4月度の展示のお知らせです。





4月2日(日)・・瀬戸市銀座商店街で行われる『銀座生き生きマルシェ』出店で休みます。
4月23日(日)・・岐阜市柳ヶ瀬本通で行われる 「GIFU ANTIQUE ARCADE」に参加予定(申込中)です。

7日(金)と28日(金)は13:00~の開店です。

今月展示のベアトゥス黙示録註解書写本群は、系統Ⅰ(新版) 2点と系統Ⅱa 3点です。


いずれも10世紀から11世紀にかけて制作されたものです。
そのうち「サン・スヴェール写本」は唯一ピレネー山脈を越えたフランスの修道院で製作されました。

「サン・スヴェール写本」(系統Ⅰ)より

髪をなびかせている描き方がほかの写本に見られないです。

「マドリード写本」(系統Ⅰ)より

挿絵が切り取られているのが残念です。

「モーガン写本」(系統Ⅱa)より

挿絵に枠取りをして、画面の地を幾つかの帯状色面で分ける描き方は、以降の写本の手本になったといえます。

「サン・ミジャン写本(コゴーリャ写本)」(系統Ⅱa)より

途中まで10世紀半ばに書かれ、その後200年近く中断された後12世紀第1四半期に制作が再開された写本。

「ウルジェイ写本」(系統Ⅱa)より

ロマネスク様式のモサラベ風の90の彩色挿絵が描かれています。

そのほか聖書写本として、「VAT. LAT. 39」と「HOLKHAM聖書」を展示します。
ヨーロッパ中世の写本の世界が味わえます。
場所は、豊田市駅からすぐ近くのVITS豊田タウンの地下1階(もと市民ギャラリー前)です。 外階段から降りて頂くと便利です。ぜひお越しください。

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Posted by おもちゃシューリーズ  at 17:07Comments(0)写本