2021年12月26日

絵本修理の続きです

先月依頼のあった絵本の修理の様子を紹介します。

絵本は定番の「はらぺこあおむし」です。

よっぽどお気に入りで何度も見たのか、表紙が外れてテープ止めしてあり、中のページもノドの部分を中心に破れ部をテープ止めしていました。

ノドの部分がテープで貼り合わせてあります。

こちらもノドの部分とページの途中でテープ貼りされています。

あるページは4分割ぐらいに破れていました。


とりあえずセロテープ等で貼ってある部分はすべて剥がしました。どうしても絵柄部が剥がれてしまう部分もありますが、テープが残っていると和紙で接着ができないので、できるだけ丁寧に剥がしました。
剥がし終わったところ。

破れている部分を和紙でつなぎ、ページが分かれているところも繋ぎなおして、元の折帖になるようにしました。下のページは先ほどの4分割になっていたページです。少し和紙が目立ちますが、全体としてはそれほどの違和感はないと思います。

反対側のページです。

ノドの部分をつなぎ合わせたページです。この後綴じるので、少し厚めの和紙で貼り付けてあります。

折帖は3折のため、どう綴じなおそうか悩みましたが、少し邪道かもしれませんが、1折り目と2折り目をサドルステッチのように綴じ合わせて、3折り目をコプト綴じのように綴じつけました。
折帖を重ねたところ。表紙裏の見返しと本体ページが一体になっているところのノド部で切れているので、本体ページと表紙を和紙で接続したものをとじ合わせましたが、未開セブを途中で切り取って綴じた方がやりやすかったかもしれません。この後の寒冷紗貼りり込みが結構大変でした。

一折目と二折り目をとじつけているところです。

こちらは3折り目をとじつけているところ。針を曲がり針に変えて下の綴じ糸をすくっています。

3つの折帖をとじ合わせたところ。まあまあの形になったと思っています。


あとは、背の部分を寒冷紗と裏打ち布で補強して、背表紙部を貼りつけました。
寒冷紗を貼り終わったところですが、この状態で見返しと表紙ボードの間に寒冷紗を貼りこむのは結構大変でした。やはり、見返しを途中で切って、最後に貼り合わせた方がよかったかも。そうすれば表紙に切り込みを入れる必要もなかったです。反省です。

このあと背表紙の部分を貼り付けます


完成の写真を撮るのを忘れました。まだまだ工夫をするところがあるのがよくわかりました。


  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 15:26Comments(0)絵本修理

2021年12月24日

12月の絵本修理

12月の絵本修理を今週土曜日に行います。
12月25日(土) 13:00~16:00
@T-face A館9階 子育て支援センター「あいあい」 活動室
お子さんの絵本が破れたりした場合は、セロテープ等でつける前にぜひお持ちください。
破れ方によってはそのままで繋ぐことができます。むつかしい場合でも、和紙で糊付けすることで、目立たなく繋ぐことができます。


ページの角の部分が破れたところを和紙でつなぎました。

薄手の和紙なので目立たないです。
裏側のページです。

オレンジ色の部分は色付きの和紙でつなぎました。

お待ちしています。  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 13:17Comments(0)絵本修理

2021年12月12日

オルゴールの修理

先月のおもちゃ修理で、たまたま2件のオルゴールの修理依頼がありました。


いずれもオルゴール本体内の調整機構部のギアの不具合でした。特殊なギアなので修理はできず、ムーブメントごとの交換となりました。

1件はギアとネジ歯車(ウォーム)のかみ合いが悪くうまく回転しません。ギアの歯が削れてしまったものと思われます。

わかりにくいですが、隙間ができています。

もう1件はギアが欠けていました。

この部分が来ると止まってしまいます。
 箱にムーブメントが取り付けてある方は交換で済みましたが、クマのぬいぐるみは頭を動かすステーがシリンダーの軸にカシメられていてシリンダーから抜くことができず、シリンダーごと交換することにしました。少し手間がかかりましたが、何とか固定されました。


いずれもムーブメントは日本電産サンキョー製の18弁タイプで、オルゴール屋総本店で入手できます。今回は2件一緒だったので送料も助かりました。
オルゴールは高製品が壊れると修理することがむつかしく、交換するしかない状況です。

  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 14:18Comments(0)おもちゃ修理

2021年12月05日

12月度のライブラリーリエバナの案内

12月度のライブラリーリエバナの展示の案内です。
12月度は5日、12日、19日、26日に開店します。


今月のベアトゥス写本は、一番小さな写本「コルシーニ写本」と一番大きな写本「ラス ウェルガス写本」です。
「コルシーニ写本」は、縦17cm、横9.5cmと片手で持てる大きさです。 残念ながら挿絵は8点しか残っていませんが、かわいらしい画風です。さすがにこの大きさだと、文字も小さく写本をするのも大変だったと思います。
コルシーニ写本より


一方、「ラス ウェルガス写本」は縦53㎝、横34㎝との大きさで両手で持っても重くて持ち運びに苦労する大きさです。挿絵も112点が残され、ベアトゥス写本群の中でもジローナ写本に次ぐ多さです。きっと教会か修道院でみんなが見えるような形で使われていたのではと思います。
ラス ウェルガス写本より


そのほかに新約聖書写本(Vat.Lat.29)


やベルギーの箱入りミサ書


も展示しています。

ぜひお越しください。

なお、来年1月より水・木・金も開店の予定です。(1月6日より開店)
詳しくはホームページで確認をお願いします。


  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 11:39Comments(0)写本