2023年04月30日

ライブラリー リエバナ 5月の展示内容お知らせ

ヨーロッパ中世の彩色写本をファクシミリ版を中心に展示しているライブラリーリエバナです。

5月度の展示と開店日のお知らせです。





5月14日(日)・・瀬戸市末広町商店街で行われる『招き猫マルシェ』出店で休みます。

5日(金)は14:00~開店、25日(木)は13:00~の開店です。

今月は、ベアトゥス写本群のなかで系統Ⅱ群aに分類されている写本2点と、時期はベアトゥス写本から400年ほど下りますが特別展示としてレオナルド・ダ・ヴィンチの手稿4点を展示します。

写本も手稿も手書きされたものをさすのですが、特に手稿は著作者本人が作成したものという意味が含まれているようです。 未解読の文字が記され、多数の奇妙な絵が描かれていることが特徴のVoynich Manuscriptは、ヴォイニッチ手稿ともヴォイニッチ写本とも呼ばれます。

《ベアトゥス黙示録註解書写本群から》
【ファクンドゥス写本】1047年に制作された写本。写字・挿画としてファクンドゥスの署名からその名で呼ばれています。13世紀に制作されたラス ウェルガス写本を除くと、修道院ではなく王室(フェルナンド1世)の依頼で制作された唯一のベアトゥス写本です。 別名『フェルナンド1世と王妃サンチャの写本』と呼ばれています。金・銀・紫がふんだんに使用され、豪華な挿絵が98点描かれています。



【シロス写本】写字が1091年に完成してから挿絵がすべて書き終えられたのが18年後の1109年という写本です。図形化したモサラベ様式の挿絵が描かれており、挿絵の地には江戸小紋のような細かな梅花文がちりばめられ、人体も山岳も動物も完全に扁平で均質な文様世界として描かれています。最後のモサラベ作品といわれるゆえんです。(「ロマネスク美術とその周辺」辻佐保子より)


《レオナルド・ダ・ヴィンチ手稿より》

レオナルド・ダ・ヴィンチ手稿は、レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci、1452年4月15日 – 1519年5月2日)が約40年間にわたって書き綴ったノートで、書き残した全手稿のうち約3分の2が失われ、現存するのは約5000ページと言われています。(Wikipediaより)  完成された絵画のすくないレオナルド・ダ・ヴィンチの業績を知るうえで素描集とともに重要なものとなっています。

【トリヴルツィオ手稿】 1487-90頃  51紙葉
レオナルド最初期の科学的考察を伝える貴重なノート。
ラテン語語彙集のほかに,警句,諧謔詩,金言,さらに戯画やスケッチ,機械の草案などが含まれる。



【鳥の飛翔に関する手稿】 1505年  20紙葉
鳥の飛翔の精緻な観察を通して,空気中の飛行原理を力学的に追求した。




【マドリード手稿】 1493-1505年頃 Ⅰ:184紙葉、Ⅱ:158紙葉
Ⅰ時計を含む種々様々な機械構造と機械理論に関する考察


Ⅱアルノ川の流れを変えるプロジェクト、『アンギアーリの戦い』、透視図法と光学、フランチェスコ・スフォルツァ(Francesco Sforza)の騎馬像鋳造など



【レスター手稿】 1505、1507-8年 36紙葉
科学的観察および考察がまとめられたノート。
月の満ち欠けや天体の運動などを扱う天文学、流水を扱う流体力学及び治水など、また、地殻の変動や地球の内部構造についての地球物理学的考察が、鏡面文字で書きこまれている。ビル・ゲイツ所有。


ヨーロッパ中世の写本の世界が味わえます。
場所は、豊田市駅からすぐ近くのVITS豊田タウンの地下1階(旧市民ギャラリー前)です。 外階段から降りてください。ぜひお越しください。

インスタをやっています。  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 12:34Comments(0)写本

2023年04月18日

4月22日(土)は絵本修理の受付です

4月22日(土) 13:00~16:00
T-face A館9階の「あいあい」活動室
で、絵本の修理の受付を行います。


破れたりページが外れたりした絵本があればお持ちください。

また、5月6日(土)はおもちゃ病院の日です。
10:30~14:00 T-face A館9階 子育て支援センター「あいあい」 
 (場所)見晴し広場です。
 10:30~12:30 修理受付
 10:30~14:00 先月までに修理品の返却

電池で動くおもちゃには新らしい電池を入れていただきますようお願いします。
修理が終わった際の確認がスムーズにできます。
よろしくお願いします。

4月のおもちゃの修理


電池Boxの端子がさびて壊れたとのことで、端子のカシメがさびて取れてしまっていました。小ビスで固定することで治りましたが、それでも元通り動きません。



通電をいろいろ調べてみると、電池Boxの間をつないでいる抵抗ヒューズが通電していませんでした。

代替品がないので直結することにしました。過電流が流れることはまずないでしょう。

これで元通り音が出てランプがつくようになりました。


  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 16:00Comments(0)おもちゃ修理絵本修理

2023年04月12日

3月の絵本修理-その2

3月に受け付けた絵本の修理の続きです。

【2】おさるのジョージ


中のページが一枚大きく破れています。


破れているところにノリを塗って貼り合わせるのですが、全体をうまくつなぎ合わせるのはなかなかむつかしいです。
ノリを塗ると水分で紙が伸びることもむつかしい要因です。

貼り合わせた後です。 補強としてこちら側だけ薄い和紙を貼っておきました。


同じところを反対側から見た写真です。 よく見ると少し絵柄がずれてしまったところがあります。 やっぱり難しい。


【3】だーいすき あそびうた
  
音が出るおもちゃがついている絵本?です。 




本文が表紙部からはがれてしまい、セロテープなどで修理した後が見られます。 セロテープで貼ったところは、はがそうとするとかえってページの表面がはがれてしまうので、このままできるだけ接着することにしました。
この構造の絵本は本文のノドの破損がよく見られます。おそらく、絵本の部分よりおもちゃの部分のほうが重いので、絵本のページをもって持ち上げたり振り回したりすると、一番弱い部分におもちゃの重さもかかって破れてしまうのだと思います。 幼児に丁寧に扱うように言っても無理な話で、どうしようもありません。



あまり効果はないですが、一応本文と表紙を三つ目綴じ(中綴じ)の要領で綴じました。

【4】あんぱんまんのわくわくABC

背の部分が割れて一度修理をしたのですが、また壊れてしまいました。


先回は背を寒冷紗で補強したのですが、寒冷紗では弱かったようです。
今回は製本布で補強することにしました。



背表紙を戻したところです。きれいに合わせることができませんでした。

次回の絵本修理の受付は
4月22日(土) 13:00~16:00
T-face A館9階の「あいあい」活動室

です。

  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 09:49Comments(0)絵本修理

2023年04月11日

3月の絵本修理

3月に受け付けた絵本修理の紹介です。

【1】パパ お月さまとって
 まんなかのページを開くとお月さまが大きく開く仕掛けが特徴の絵本です。

ページの綴じがほどけかかっていて、一部外れてしまっているところがあります。


一度すべてのページを外して、ノドの補強をしてから綴じなおすことにしました。 

ノドの部分を和紙で補強した様子です。

これをコプト綴じの要領で綴じることにしましたが、悩んだのがお月さまが大きく開き仕掛けのページです。
このページは2枚が重ねあわされていて、ノドの部分が袋になっていて綴じ針がうまくさせない構造です。

仕方がないので、袋部分に綴じ糸とは別の糸を通しておいて、この糸に外側から綴じ糸をからげることにしました。



このページを綴じ終わったところです。外に見える綴じ糸は、ほかのページでは中を通ている糸です。


すべてのページを綴じ終わって、表表紙に寒冷紗を接着しているところです。

最後に裏表紙側のノド部を接着して終了です。


次回の絵本修理の受付は
4月22日(土) 13:00~16:00
T-face A館9階の「あいあい」活動室

です。


  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 15:41Comments(0)絵本修理