2020年05月10日
文庫本の改装と製本です
奈良の書籍修理・修復教室がコロナの影響で休止状態となっているので、その間の宿題ということで文庫本の改装をすることになりました。
時間があったので、丸背本も作りました。

まずは普通の角背の改装を2冊です。
(1)表紙となる部分の作成です。
①裏打ちされた表紙布に表紙ボードと背表紙ボードを仮置きして大きさや位置の確認をします。

②ボードを貼った後の表側からの様子です。タイトル部分はボード紙を剥がして凹を作ってあります。

③4隅をカットして表紙布を折り返します。

(2)次に本文の作成です。文庫本の表紙・背表紙をとったものを用意し、見返しと寒冷紗を貼り、花布と栞をつけたあと、クータを背に貼ります。
①文庫本本体と同じ大きさの見返しを本体に貼ります。

②背に寒冷紗を貼ります。

③背の上に栞を貼った後、上下に花ぎれを貼ります。

(3)これを表紙に合体させて完成です。
背側を貼った後溝付けをし、見返しと表紙を糊付けします。
2冊とも同じような感じになってしまいました。表紙を柄物にしたほうがよかったかも。

次は少し雰囲気を変えたかったので、ドイツ装にし背の部分は革でつないでみることにしました。参考にした本に角背ではなく革に芯を入れないことで、丸みを帯びた背になった作品があったので、試してみることに。
(1)まずは、背になる部分の革の漉きです。
①久しぶりの革刀での漉きですが、革が結構扱いやすい硬さだったのでよかったです。上下の折り返し部分と、表紙との重なり部分を漉きました。

②一部漉きすぎて欠けてしまいましたが、表に見えるところではないのでよかったです。

(2)次に表紙ボード(表・裏)と背とのつなぎです。
①表紙ボードはあらかじめ表紙布とボードを貼り合わせ、左右のみ折り返しておきます。
表紙ボードと背革を仮止めし、本体に対してチリが均一になるか確認しながら背の幅を決めました。

②閉じた状態です。上下の部分はまだくるんでいません。この後表紙ボードと背革を接着し、上下の折り返しを行います。

(3)後は通常通り本体に表紙を被せて、見返しと貼り合わせました。

そこそこの出来になったのではと思っていますが、もう少し溝の幅はとったほうがよかったか。 表題をどう入れるかはこれから考えます。
最後にもう一つ。改装ではなく綴じから丸背コーネル装へのトライです。構成品が多く結構面倒です。
(1)まずは本体部分からです。
①今回は4枚1折を11折りを綴じました。大きさは文庫本サイズです。各折り丁に綴じ穴をあけます。今回はテープ綴じとしているので、中央2か所は2つづつの穴です。

②穴をあけ終わったところです。

③綴じているところです。

④綴じ終わりました。

(2)次に表紙の作成です。
①まず背になる革の部分です。ボードを貼る部分などに線を引き大きさを確認しておきます。

②上下の折り返す部分と左右の表紙が重なる部分の革を漉きます。今回も少し大きく切り落としてしまいました。折り返し部分なので見えるところではなかったのでよかったです。左右は表紙との重なりが3mmほどしかないので、切り欠かないように注意しながらできるだけ薄く漉きます。

③表紙角の部分(コーネル)の革の切出しです。左側の紙はコーネルの型紙です。

④コーネルも折り返しや表紙との重なり部分を漉きます。

⑤次は表紙の平部分の切出しです。今回はマーブル紙を使いました。形が複雑なので寸法をしっかり確認して線を引きます。

⑥切出した表紙部です。表面はロウ引きしておきます。

⑦部品が全部そろったので、表紙を作成します。まずは背の革と表紙ボード・背表紙ボードを貼り、上下を折り返します。

⑧表側から見た状態です。次にコーネルを貼ります。

⑨コーネルを貼った状態です。

⑩表紙を重ねて位置を確認。

⑪片方の表紙を貼ったところです。

⑫もう一方の表紙も貼ります。

(3)表紙と本体ともできたので、これを合わせます。
①まず背の部分だけ糊を塗り、チリの寸法を見ながら位置決め・プレスし、溝部分をコテで溝付けしサイドプレスします。

②その後、見返しを表紙裏に糊付けし、紙をはさんで再度プレス。時々紙を変えながら様子を見ます。

③見返し(遊び紙)と本紙の部分です。本紙は罫線を印刷してノートとして使えるようにしました。

④本紙です。

⑤天と小口の部分です。

革の厚みを考えると、溝の幅はもう少しとったほうが良かったかもしれません。
時間があったので、丸背本も作りました。
まずは普通の角背の改装を2冊です。
(1)表紙となる部分の作成です。
①裏打ちされた表紙布に表紙ボードと背表紙ボードを仮置きして大きさや位置の確認をします。
②ボードを貼った後の表側からの様子です。タイトル部分はボード紙を剥がして凹を作ってあります。
③4隅をカットして表紙布を折り返します。
(2)次に本文の作成です。文庫本の表紙・背表紙をとったものを用意し、見返しと寒冷紗を貼り、花布と栞をつけたあと、クータを背に貼ります。
①文庫本本体と同じ大きさの見返しを本体に貼ります。
②背に寒冷紗を貼ります。
③背の上に栞を貼った後、上下に花ぎれを貼ります。
(3)これを表紙に合体させて完成です。
背側を貼った後溝付けをし、見返しと表紙を糊付けします。
2冊とも同じような感じになってしまいました。表紙を柄物にしたほうがよかったかも。
次は少し雰囲気を変えたかったので、ドイツ装にし背の部分は革でつないでみることにしました。参考にした本に角背ではなく革に芯を入れないことで、丸みを帯びた背になった作品があったので、試してみることに。
(1)まずは、背になる部分の革の漉きです。
①久しぶりの革刀での漉きですが、革が結構扱いやすい硬さだったのでよかったです。上下の折り返し部分と、表紙との重なり部分を漉きました。
②一部漉きすぎて欠けてしまいましたが、表に見えるところではないのでよかったです。
(2)次に表紙ボード(表・裏)と背とのつなぎです。
①表紙ボードはあらかじめ表紙布とボードを貼り合わせ、左右のみ折り返しておきます。
表紙ボードと背革を仮止めし、本体に対してチリが均一になるか確認しながら背の幅を決めました。
②閉じた状態です。上下の部分はまだくるんでいません。この後表紙ボードと背革を接着し、上下の折り返しを行います。
(3)後は通常通り本体に表紙を被せて、見返しと貼り合わせました。
そこそこの出来になったのではと思っていますが、もう少し溝の幅はとったほうがよかったか。 表題をどう入れるかはこれから考えます。
最後にもう一つ。改装ではなく綴じから丸背コーネル装へのトライです。構成品が多く結構面倒です。
(1)まずは本体部分からです。
①今回は4枚1折を11折りを綴じました。大きさは文庫本サイズです。各折り丁に綴じ穴をあけます。今回はテープ綴じとしているので、中央2か所は2つづつの穴です。
②穴をあけ終わったところです。
③綴じているところです。
④綴じ終わりました。
(2)次に表紙の作成です。
①まず背になる革の部分です。ボードを貼る部分などに線を引き大きさを確認しておきます。
②上下の折り返す部分と左右の表紙が重なる部分の革を漉きます。今回も少し大きく切り落としてしまいました。折り返し部分なので見えるところではなかったのでよかったです。左右は表紙との重なりが3mmほどしかないので、切り欠かないように注意しながらできるだけ薄く漉きます。
③表紙角の部分(コーネル)の革の切出しです。左側の紙はコーネルの型紙です。
④コーネルも折り返しや表紙との重なり部分を漉きます。
⑤次は表紙の平部分の切出しです。今回はマーブル紙を使いました。形が複雑なので寸法をしっかり確認して線を引きます。
⑥切出した表紙部です。表面はロウ引きしておきます。
⑦部品が全部そろったので、表紙を作成します。まずは背の革と表紙ボード・背表紙ボードを貼り、上下を折り返します。
⑧表側から見た状態です。次にコーネルを貼ります。
⑨コーネルを貼った状態です。
⑩表紙を重ねて位置を確認。
⑪片方の表紙を貼ったところです。
⑫もう一方の表紙も貼ります。
(3)表紙と本体ともできたので、これを合わせます。
①まず背の部分だけ糊を塗り、チリの寸法を見ながら位置決め・プレスし、溝部分をコテで溝付けしサイドプレスします。
②その後、見返しを表紙裏に糊付けし、紙をはさんで再度プレス。時々紙を変えながら様子を見ます。
③見返し(遊び紙)と本紙の部分です。本紙は罫線を印刷してノートとして使えるようにしました。
④本紙です。
⑤天と小口の部分です。
革の厚みを考えると、溝の幅はもう少しとったほうが良かったかもしれません。
製本ワークショップ@East Endersさん 満席になりました
8月6日(日) 瀬戸の銀座生き生きマルシェに参加します
製本ワークショップ 参加者募集 @本・ひとしずく(9月30日満席になりました)
製本ワークショップ (第2回) 参加者募集終了!【満席】(7月25日)
製本ワークショップ 参加者募集中!→満席になりました
小型の製本プレス機を作りました
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