2021年08月01日

ライブラリー リエバナ 8月の展示ご案内

遅くなりましたが、8月の展示のご案内です。

【今月のBeatus写本】
①モーガン写本(2分冊) 940年~960年頃?製作(諸説あり)
  ベアトゥス写本群のひとつの流れのもとになった写本。現在は2分冊に製本されている。303葉の羊皮紙に89点の挿絵が描かれている。全頁大の挿絵に加え、両面見開きページ大の挿絵もある。
  
  この写本については「世界で最も美しい12の写本」に詳しく書かれています。
  
  豊田市中央図書館にもあります。  
 
②マドリード写本 930年頃?製作
  モーガン写本とほぼ同時期に書かれたと推測される写本。 挿絵が切り取られている部分が多く、141葉の羊皮紙に27点の挿絵が残されている。




【今月のBeatus写本挿絵】
「鳥と蛇の戦い」が描かれた主要な4写本を紹介します。毛塚美江子先生の書かれた論文を参考にさせていただきました。
 ジローナ写本
  ジローナ写本
 ライランズ写本
  ライランズ(マンチェスター)写本
サン スヴェール写本
  サン スヴェール写本
ウルジェイ写本
  ウルジェイ写本
【黙示録写本】
カロリング朝様式で書かれた挿絵入り黙示録写本で最古の2写本を紹介します。
①トーリア写本
  800年頃にドイツで制作された写本。74点の写本が全頁大で描かれています。
  
  

②バランシエンヌ写本
  800~825年頃にフランスかドイツで製作されたカロリング朝様式の挿絵が38点描かれています。
  
  
【中世写本の紹介】
 今回はイギリスで製作された詩篇写本2点を紹介します。
 当時の詩篇写本(Psalter)は、キリスト教で『旧約聖書』の「詩篇」、教会暦、聖人への祈りなどを内容とする分厚い書物で、中世の終わりごろに『時祷書』(時課経)が正式に現れるまで、おもに教会や修道院や富裕者や初心者がその日およびその時間の礼拝で具体的に何を歌い、祈るかに使われたもので、綺麗に挿絵が施されているのが常でした。(Wikipediaより)
 ①ラットレル詩篇
   1325年~1340年にイギリス北部のラットレル卿が制作した詩篇写本。350×245の大きさで309葉の羊皮紙に描かれた大部の写本。中世の生活とともに、人間の頭と動物や鳥などの体が組み合された想像上の怪物が多数描かれている。



 ②マックレズフィールド詩篇
   1330年~1340年頃にイギリス東部で製作された写本。170×108という小型の写本であるが、252葉の羊皮紙に美しく彩色されている。ラットレル詩篇同様に、挿絵にはハイブリットな怪物が描かれるとともに、擬人化された動物や中世の生活が描かれている。
 
 

VITS豊田タウン地下1階(市民ギャラリー前)で、毎週日曜日(11:00~17:30)開館しています。
ぜひお越しください。  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 13:32Comments(0)写本