2021年07月18日

絵本の修理

先月お預かりした絵本の修理を行いました。
にらめっこ

今回は図鑑が2冊、仕掛け絵本が2冊でした。 図鑑はよっぽど毎日見ていたのでしょうか、2冊とも表裏表紙と背表紙が本体とはずれてしまっています。 仕掛け絵本も動くところが破れたり折れてしまったりしています。 主な治し方を紹介します。
(1)図鑑 Move魚のずかん 22cm×26.5cmで224ページある大型の図鑑です。



 表紙が外れていて、ページの綴じも緩んでほどけています。まず本体と表紙を外して、ページをきれいに外すことからスタートです。



次にページを綴じ直します。今回はテープを芯にした本綴じで綴じました。本が大きいので綴じ糸をつなぐ回数が多く、それが大変でした。

綴じ終わったところです。

 綴じ終わったら、背に寒冷紗とクータを貼ります。

これで本体側は完成です。
次に寒冷紗を表紙の見返し部分をめくったところに挟み込んで接着します。

プレス機で乾くまでしっかり押さえておきます。
これで完成です。本体もスムーズに開きます。

表紙と背の間から寒冷紗が見えますが、ご容赦ください。

これで完成です。

(2)はじめてのずかん 900  さきほどのずかんよりは小型ですがそれでも20cm×24cmほどの大きさです。こちらは各ページの厚みが厚いこともあって糸綴じではなく背を接着してあります。
 こちらも本体と表紙や背表紙が外れかけています。まず本体と表紙を外しました。



本体ですが、糸の綴じはやめて、寒冷紗を接着することで補強することにしました。

この状態でしっかり乾かします。
表紙側も背と表裏表紙を寒冷紗で接続することにしました。ボードと表紙紙をめくってその間に寒冷紗を挟み込んで接着します。

この後 背のボード紙も貼り付けます。 乾かした後今度は見返し側に寒冷紗と見返し紙を張り付けます。
表表紙の見返し部

裏表紙の見返し部

表側からです。

完成しました。寒冷紗2枚で接続しているので、ほっぽど持つのではと思います。

(3)あんぱんとにらめっこ  表紙をあけるとアンパンマンの顔が笑顔から困り顔にかわるのですが、スライド部がうまく動かない状態になっています。


よくみると扉を開けるとスライドする根元の部分が折れ曲がっていて、扉をとしてもスライド部がもとの位置に戻らなくなってしまっていました。
この部分を補強してやれば元に戻りそうなので、適当な厚みのボール紙を切出して折れ曲がった部分に貼り付けました。

こうすることでスライドがしっかり動くようになり、表紙を開けると

表紙を閉じると
にらめっこ
と表情がしっかり変わるようになりました。

以上で紹介は終わりです。
次回の絵本修理は
7月24日(土) 松坂屋9階 子育て支援センター「あいあい」です。
13:00~16:00の間で受け付けています。
お子さんの絵本の修理がある方はぜひお越しください。

【本の修理の仕方についての参考書】
図書の修理 とらの巻
続 図書の修理 とらの巻
が参考になります。












  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 12:56Comments(0)絵本修理