2023年01月30日

2月4日(土) おもちゃ修理です

2月のおもちゃ修理ですが、
今週の土曜日 2月4日(土) に行います。 
 10:30~14:00 T-face A館9階 子育て支援センター「あいあい」 
 (場所)見晴し広場です。
 10:30~12:30 修理受付
 10:30~14:00 先月までに修理品の返却

電池で動くおもちゃには新らしい電池を入れていただきますようお願いします。
修理が終わった際の確認がスムーズにできます。
よろしくお願いします。

1月28日(土)に行った絵本修理の依頼品を紹介します。
今回は同じ絵本(図鑑)が2冊ありました。


2冊とも同じような壊れ方で、1冊は下のように中のページの背の部分が4cmほどはがれています。

もう1冊も同じように2cmほどはがれています。

ページが厚紙で全体に重い本なので、開いた状態で持つとノドの部分に力が入りすぎるのだと思います。
(接着だけで支持体がないのも弱点です)
表紙の背の部分は問題ないので、はがれている部分に筆で糊をつけてプレス機で一晩圧縮しています。

・・本体と背表紙が接着しないように、間に離型紙を挟んでいます。
乾燥後を見て必要なら本体の背の部分に紙を接着してみようと思います。
(ただ、表紙がかぶっている状態なので、しっかり接着できるかが不明ですが)

ほかにも同じようにページの背の部分がはがれているのが2冊ありました。








いずれもはがれている部分に筆か竹ひごで糊を差し込み、上と同様にしっかり乾くまで圧縮しておきます。

ほかにページのノドの部分が破れている本が2冊ありました。



こちらは最後の2ページのノドの部分の下半分ほどが破れています。




こちらは、ノドの部分で完全に破れています。

両方ともまずはノリだけでつないで、プレス機に入れて一晩放置しておきます。
これだけではおそらく接着強度は弱いので、必要に応じて和紙で補強する予定です。
結果はまた紹介したいと思います。








  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 21:24Comments(0)おもちゃ修理絵本修理

2023年01月27日

ライブラリー リエバナ 2月の展示内容お知らせ

ヨーロッパ中世の彩色写本をファクシミリ版を中心に展示しているライブラリーリエバナです。

2月度の展示のお知らせです。




2月12日(日)と26日(日)はマーケット出店のためお休みです。
12日(日) 瀬戸市末広町商店街『千客万来招き猫マルシェ』出店
26日(日) 豊田市『永覚新町にぎやか市』出店

2月3日(金)と24日(金)は、午後からの開店です。

今月はベアトゥス写本をはじめ中世に制作された写本の中から、特に大型の写本を中心に展示します。

中世に制作された巨大な写本としては『ギガス写本』が有名です。13世紀初頭に作られたといわれる『ギガス写本』は、大きさが縦92㎝×横50㎝の巨大なもので、310葉の羊皮紙からなり75㎏の重さがあります。
伝説では、誓いを破り監禁された修道僧が刑罰を逃れるため、一晩でこの写本を作成することを誓った。
しかし真夜中ごろになって誓いを守れそうにないことが明らかとなり、彼は堕天使ルシファーに、自身の
魂と引き換えに本を完成させてほしいと願った。悪魔は写本を完成させ、その修道僧は感謝の意を表すために悪魔の絵を追加したそうである。

悪魔の絵は290枚目のフォリオに描かれています。



所蔵のなかで一番大きな写本はベアトゥスの「ラス ウェルガス写本」で、縦52㎝ 横36㎝の大きさがあります。 13世紀初めとベアトゥス写本の中でも遅い時期に制作された写本で、ヨハネの黙示録に関する約70点の挿絵とダニエル書の聖ヒエロニムスによる解説に伴う10点の挿絵を含みます。




その次に大きな写本は『貧者の聖書+黙示録』写本で、縦48㎝ 横33㎝の大きさです。 この写本は一般的な『貧者の聖書』に黙示録を加えたもので、10葉に貧者の聖書が、11葉に黙示録が描かれており、最後に再度磔刑図が描かれています。




その他ベアトゥス写本群からは

『マンチェスター写本』45㎝×32㎝


『アローヨ写本』44㎝×31㎝


『カルデーニャ写本』45㎝×30㎝


『モーガン写本』39㎝×29㎝


を展示します。

その他の写本からは

『トリニティ黙示録写本』44㎝×32㎝


『ベリー候の大時祷書』40㎝×30㎝


を展示します。

また、当時修道院などの聖歌を歌うときに使われていた交唱聖歌集の楽譜(オリジナル)も展示します。多くの場合、複数の歌い手が同時に見ることができるように大判となっています。今回の物は縦67㎝×横48㎝の大きさで見開きにするとかなりの大きさになります。



ヨーロッパ中世の写本の世界が味わえます。
場所は、豊田市駅からすぐ近くのVITS豊田タウンの地下1階(市民ギャラリー前)です。 外階段から降りて頂くと便利です。ぜひお越しください。

インスタグラム

写本関係のホームページ  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 19:42Comments(0)写本

2023年01月19日

名古屋市の円頓寺サタデーマーケットに出店します

1月21日(土)に行われる円頓寺サタデーマーケットに、ライブラリー リエバナとして出店します。11:00-16:00の時間で開催されます。


毎週土曜日に開催されているのですが、初めての出店です。 今回は彩色写本関係の古本(洋書主体)やポストカードと合わせて、手製本のメモ帳をお持ちする予定です。 メモ帳はマーブル紙や木の表紙を使ったエチオピア綴じやコプト綴じのものや、フレンチリンクステッチ綴じのものなどです。

下の写真は昨年10月の豊田市ブックマーケットの際の様子です。


円頓寺サタデーマーケットは円頓寺商店街で毎週土曜日に開かれています。青果やスイーツ、ハンドメイド雑貨やビンテージ、アンティークのお店などが並びます

名古屋の中でも最も古い商店街と言われる円頓寺商店街のアーケードで行われます。
お近くの人はぜひ足をお運びください。
  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 10:00Comments(0)写本マルシェ・古本市

2023年01月17日

1月の絵本修理と2月のおもちゃ修理のご連絡

1月の絵本修理の受付は
1月28日(土) 13:00~16:00 T-face A館9階の「あいあい」活動室
です。
ページが破れたりページが外れたりした絵本がありましたら、お持ちください。
仕掛け絵本なども結構です。

また、2月のおもちゃ修理ですが、
2月4日(土) に行います。 
 10:30~14:00 T-face A館9階 子育て支援センター「あいあい」 
 (場所)見晴し広場です。
 10:30~12:30 修理受付
 10:30~14:00 先月までに修理品の返却

電池で動くおもちゃには新らしい電池を入れていただきますようお願いします。
修理が終わった際の確認がスムーズにできます。
よろしくお願いします。

12月にお預かりした3冊の絵本の修理についてご紹介します。

①3冊のうち2冊は同じような構造の本で、一つは電子ピアノ付きの歌の絵本で、歌(譜面)の部分がノドのところで破れています。
 
表紙を開くと
 
譜面の部分の根元が破れて、外れてしまっています。

外れている部分(最後のページの両面)を製本用の布で接続した状態です。
 
構造上この部分が一番弱くなるので、あまり乱暴に扱わないようにお願いするしかありません。
もう一冊も同じような状態です。
 
開いてみると根元が外れかかっています。
 
こちらはテープで補修していますが、破れを防止するほどにはなっていません。
修理する前にテープはすべてはがしました。
 
背の部分を製本布で補強して全体を中綴じ(サドルステッチ)で綴じなおしました。
 
中綴じの中央部分です。
 

どちらも多分譜面の部分をもってしまい、ノドの部分に力が入ったのでしょう。セロテープで修理すると、接着した部分とそうでない部分との強度差が大きすぎてその境目でまた破れてきてしまいます。またセロテープも劣化するのでできるだけ使わないのがいいです。

②もう1冊は図鑑で、ページを綴じてある糸がほどけて、半分ほどがバラバラになっていました。 本文の重さに比べて綴じ糸が細いので切れてしまったのかと思います。
 これは全ページを外してから、少し太めの糸で綴じなおし、寒冷紗を背に貼り表紙につけなおしました。

 
中身のページは半分ほど外れています。
 
ページをすべて取り外し、もう一度本綴じで綴じなおしました。表紙との接合強度を増すために支持体としてテープを入れています。
 
表表紙側の見返し部分の根元をはがし、この部分に寒冷紗を挟み込んで接着します。
 
裏表紙側は見返しを切り取らず、表紙板からめくりあげて寒冷紗を中に入れ込むことにしました。
 
表表紙側の接着した後の状態です。
 
裏表紙側の接着後の状態です。
 
中央部分で本を開いた状態です。
 

今回はページ本体の破れはあまりなかったのでよかったです。

  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 17:50Comments(0)おもちゃ修理絵本修理