2018年09月16日

レタープレス樹脂版作成にトライ・・失敗

7月に活版印刷で名刺作成のワークショップに参加しましたが、自宅でも活版印刷ができないかということで、レタプレの樹脂版作成にトライしてみました。太陽光で活版用の樹脂版を作成できるキットです。
先回作成した名刺ベースに作ってみました。今回使用したのは「真っ黒ネガフィルム れたぷれ」です。樹脂の感光は太陽光ではなくレジンアクセサリー用のUVライトを使用しました。
まずはネガフィルムの作成で、インクジェットで印刷したデザインをコピーし、ネガフィルムと重ねてラミネート機に通します。ネガフィルムはトナーと熱で反応し、その部分だけネガフィルムから取り除かれます。以前試したときは、ネガフィルムの固定が少なく、ラミネート機を通したときにしわが寄ってしまい、うまく抜けませんでした。今回は全周マスキングテープで固定しました。

「コピーした用紙を台紙に固定」
コピー紙
「マスキングテープのような熱で溶けないテープで固定」
テープで固定
「台紙が熱で反るので2-3枚重ねたほうがよさそうです」
ラミ機で加熱

3枚作ってみましたが、細かい線やQRコードはやはりきれいには抜けていないようです。後の感光でもそうですが、ある程度の太さが必要なようです。次にこれをラミネートします。1枚だけラミネートした後何かに引っかかったようで曲がったまま固まってしまいました。

「ラミ機を通した後冷ましてから外す」
ネガフィルム
「ラミネートすると熱でネガフィルムのシワも伸びて出来上がる。一番上のラミが反り曲がってしまいました。」
ラミネート品

次にこれを使って樹脂版を感光するのですが、長さがよくわかりません。とりあえず2分半ほど感光してみましたが長すぎるようで文字がほとんどつぶれてしまいました。そこで1分半、45秒、25秒とだんだん短くしてみました。25秒だと太目の所はきれいにできるのですが細い線は硬化が不足で感光後の水洗いでなくなってしまいました。45秒だと細いところもきれいに残るのですが、逆に太いところに囲まれた部分も硬化が進んでいます。

「フレーム(写真立て)に挟んで、ネガフィルムと樹脂版を密着させる」
感光フレーム
「UVライトで感光させる」
感光
「感光後に未硬化部分を水で洗い落とす。これが結構難しい」
水洗い
「45秒感光したもの。小さい字はうまくできているが、太文字の間がつぶれている」
45秒感光
「25秒感光したもの。太文字の間がそれなりに残っているが、小さい(細い)文字がなくなっている」
感光 25秒

これを避けるには、文字の太さで露光時間を変えるしかないのかと思いましたが、そもそもUVライトで行ったのも間違いかなと思っています。UVライトは早く硬化させるためにライトの周辺に凹面の反射鏡がついているので、いろんな方向からの光が当たります。ということは太いところにはいろいろな角度から光が入るので周辺も硬化がより進むことになります。やはり太陽光のように(ほぼ)平行な光に当てたほうがうまくできるのかと思います。次回は太陽光でトライしてみます。(レタプレのブログにあるように、感光時間を事前に調べる必要がありますが、当然夏と冬で太陽光の量も違うので、その時期ごとに確認する必要があり結構面倒ですね)
※今回の樹脂版露光時に最初の3枚はネガフィルムを反転してセットするのを忘れていました。これではうまくできても使い物にはなりません。しっかり確認が必要ですね。  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 21:50Comments(0)活版印刷

2018年09月09日

Morgan Beatus写本の紹介

Morgan Beatus写本の紹介です。
940~945年にスペインでMaiusという人によって製作(写字・挿絵とも)された写本です。
全300葉(600ページ)と大部で、もとは1巻でしたがいまは2巻に製本されています。
大きさは 縦387 幅285 と大きめの写本で、挿絵はフルページが68点、小型の挿絵が48点描かれています。
フルページの中には2頁にわたって書かれているものもあり、絵画といっていい大きさです。
現在は写本収集で有名なアメリカのニューヨークにあるPierpont Morgan Libraryが所蔵しています。

ファクシミリ本





詳しくはこちらを見てください。
  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 23:16Comments(0)写本

2018年09月02日

9月のおもちゃ修理

9月1日はおもちゃ修理の日でした。 
いつもの活動場所の松坂屋の子育て支援センターが改装のため、今月から11月までは志賀町の「志賀こどもつどいの広場」で行います。 
場所が変わったので患者さんは少ないかと思っていましたが、予想外に多くいつもと同じくらい見えて、結局19点のおもちゃが持ち込まれました。いくつかのおもちゃは持ち帰りとなりましたが、ほぼ当日にお渡しすることができました。
おもちゃ修理9月 1
場所が2階だったので、入口の所に看板を作ってもらっていました、いつも親切にしていただいています。
おもちゃ修理9月 2
活動部屋です。以前はこども園(幼稚園)に使用されていた教室なので、その雰囲気が残っています。
おもちゃ修理9月 3
修理中の様子です。この日は12人が参加しました。赤い人形ですが、一部がへこんでしまったそうで、いろいろ試してみたのですが結局この日に直すことができず持ち帰りをお願いしました。
おもちゃ修理9月 4
よくわからないところは相談しながら修理を行います。
おもちゃ修理9月 5
修理したおもちゃの一部です。断線やモーターの錆びつきなど原因はいろいろです。
おもちゃ修理9月 6
踊る猫ですが、音に反応して踊りだすはずが動かないとのことでした。さっそく中の構造を確認したのですが、マイクなど音に反応する部品はなく、手の所にあるスィッチを押すと動く機構になっています。持ってきていただいた方に確認すると、どうも思い違いだったようです。こういうこともたまにあります。

  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 18:10Comments(0)おもちゃ修理

2018年09月02日

書籍修理夏期講習参加

この前の土日(25、26日)ですが、書籍修理・修復講座の夏期講習に参加しました。(NPO法人「書物の歴史と保存修復に関する研究会」が主催している講座に通っています) 毎年8月に奈良図書情報館で開かれ、私は4回目になります。
1年ぶりにお会いする方々とお話することができて楽しい時間を過ごすことができました。
1日目は午後から講演会で、今年は修理・修復にも非常によく使用する和紙について、特に雁皮紙を主として近江のなるこ和紙を製造される成子紙工房の方が話をされました。雁皮紙は非常に薄い紙でかつ水にぬれても強い和紙で、筆で書いてもにじまないそうです。和紙の世界も原料を作る方や紙を漉く道具を作る方など全体的に高齢化が進んでいるので大変なようです。
またお昼前から講座生の作品展の展示会も行われました。いくつか紹介したいと思います。
資料保存入門
(資料保存入門)修理・修復の基礎ということで、本の構造/歴史を中心に学びます。角背・丸背の製本を学び、終了製作として3点の本を製作するのですが、みなさん毎回個性的で凝った作品を作成しています。
修理基礎1
(修理基礎1)一般図書修理に役立つ様々な知識、技法、資料製本と保存箱作りなどを学びます。
修理基礎2
(修理基礎2)一般図書修理のための知識、技術を系統立てて学びます。修理実技の実習、様々な部分修理の例を取り上げながら技術を積み上げます。
実践修理本科
(実践修理本科) 公共図書館、学校図書館の一般書の実用修理技術を学びます。実際の書物を担当して修理します
修復基礎 1
(修復基礎1) 年代別(古典的)製本技法、綴じ方、花布の編み方などを学びます。13世紀、15世紀と18世紀の製本様式を実際に製作します。13世紀と15世紀の本には表紙に木を使うので木工のような作業もあります。また、18世紀の本は工程が多く革も使います。
修復基礎2
(修復基礎2) 修復理論・カルテ・見積り・小規模修復の知識を学ぶとともに、革を使った修復の基礎として革刀を使った革漉き作業を始めます。丸刃を使うのですが、刃のメンテナンスが非常に大事になります
修復本科基礎
(修復本科基礎) 修復に必要な基礎知識として、様々な保存製本と修復小規模技法、及び革の扱いを徹底的に学びます。
修復本科
(実践修復)本科生の方々の行なっている修復の事例紹介です。革装本の修復が主で、オリジナルを生かしながらどのように修復するかが課題になります。このクラスの技術を身につけるにはかなりの経験と勉強が必要です。

2日目はイスラム綴じ製本のワークショップです。綴じ方は支持帯を使用せず2本の糸を使って2か所でケトルステッチで編み上げるように折り丁を綴じていきます。
イスラム綴じ 1
使用する材料はすべてセットにしていただいているので、あとは手順に従って穴をあけたり綴じたりしていく作業になります。
イスラム綴じ 2
綴じた状態の写真です。この中身を今度は表紙と上下で結合します。
イスラム綴じ 3
綴じつけようの糸で背の上下を表紙布と本体の折り丁を巻きつけながら結合していきます。
イスラム綴じ 4
次に飾り糸で綴じつけ糸を編みこんでいきます。これは綴じつけ糸の補強とともに装飾を兼ねているそうです。

飾り糸の綴じ方は特に決まっていなくて、いろいろな装飾の仕方があります。

今年も大変おもしろく勉強になる時間を過ごすことができました。  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 17:49Comments(0)製本

2018年08月17日

おもちゃの修理・・・ジェシーの人形

おもちゃの修理をもう一つ。

こちらはシェビー(トイ・ストーリー)の人形ですが、首が取れてしまったとのこと。首の根元の丸アナ部分がちぎれてしまったようで、多分首を思いっきり捻じったか引っ張ったかした様子。

接着剤で固定してOKとのことでしたが、このまま接着してもすぐ取れそうなので、頭の部分にボルトを挿して補強とすることにしました。



一応固定はできたようですが、この人形は帽子のつばが大きく、寝かせておくと帽子のつばと足で支える状態で人形全体が浮いています。この状態で何かが人形に乗るとちょうど首が折れるような力が働いてしまいます。またすぐ修理に持ち込まれるのではないかと心配ですが、注意して遊んでもらうしかなさそうです。



  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 18:03Comments(0)おもちゃ修理

2018年08月13日

おもちゃの修理・・あんぱんまんピアノ

先回のおもちゃ病院の持ち帰りのおもちゃの一つ、あんぱんまんピアノの修理をすることにしました。
音が出ない(出にくい)鍵盤がいくつかあるのと、音を出すとアンパンマンたちの腕が動くのですが動かない、マイクの線が切れているといった故障です。

写真のテープが貼ってある鍵盤の調子が悪いので、内部の接触部を見ましたが、特に目立ったところはありません。念のため接触部をアルコールで拭きました。2か所は音が不通に出るようになりましたが、残りの1か所はやはり音が出ず、接触部を他の個所と入れ替えたりしましたが症状は変わらないので、基盤側に原因がありそうで、これ以上原因を突き止めることは諦めました。

腕を動かすモーターは問題ないのですが、ベルトが伸びきってモーターの回転が伝わっていませんでした。代わりのベルトはなかったのでとりあえず輪ゴムで代用することにしました。動きは問題ないのですが、耐久性はあまりないので、どれくらい持つかわかりません。次回のおもちゃ病院までにもう少しちゃんとしたベルトが間に合えばそれに交換することとします。
 
マイクの断線は少しコードが短くなりますが、手前で切り取りマイクに接続しなおしました。
 
尚、使われていた電池のうち3本が充電タイプだったので、これが原因かもと思い通常の電池に交換して確認しましたが、症状は変わりませんでした。(充電タイプの電圧は1.2Vなので3本使用だと合計は1.2V*3本+1.5V=5.1Vとなり、1.5V*4本=6Vに比べて15%低くなり、特にICを使ったおもちゃの場合に影響が出る場合があります)
 

結局鍵盤の1か所については原因が不明のままとなりました。残念です。
  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 22:00Comments(0)おもちゃ修理

2018年08月12日

トリニティ黙示録の紹介

トリニティカレッジ所蔵の黙示録写本のFacsimile版(1967年刊)が手に入りました。 2006年刊版(岩波書店も共同出版で日本語版が出ています)は知っていましたが、こちらは知りませんでした。 昔の版なので用紙が羊皮紙という感じではありませんが、原寸大のフルカラーで再現されています。
Trinity黙示録は13世紀半ばに英国で制作されたアングロ・ノルマン語による彩飾写本で、71点の大型彩飾画が描かれています。
写本は44cmx30cmx2.2cmと大型ですが 64ページとBeatus写本に比べるとページ数は少ないです。(もっとも全頁に挿絵がありますが)
出版社はEUGRAMMIA PRESSです。






このほかにずいぶん昔に買った縮小版のFacsimile本と2005年発行の英語版解説本があります。
写真左がfacsimile版で、中央が縮小版のfacsimile本と右が英語版解説本です。


縮小版のFacsimile本は大手前女子学園の大高順雄教授と福井秀加教授が1977年に刊行したもので非売品ですが、神田の古本屋で購入しました。 挿絵の解説や、本文の原文などが収められています。


2005年発行の解説本はBritish LibraryとUniversity of Toronto Pressから発刊されたもので、David McKitterickの編集です。これはTrinity黙示録を中心に中世の黙示録一般も紹介しています。ただTrinity黙示録はカラーですが それ以外の挿絵は白黒なのが残念です


大高教授によると、この写本の特徴は細密画71とアングロノルマン方言による文から成り立っていることで、挿絵は新約聖書のヨハネ黙示録の内容に対応するもの(4~63)、および黙示録の始まりと終りに付された、聖ヨハネの生涯に関する場面(1~3, 64~71)とに分かれています。


  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 22:43Comments(0)写本

2018年08月11日

革の小物を作りました

今日からお盆休みです。
時間があったので前から作ろうと思っていた製本道具のカバーを革で作ることにしました。
奈良のNPO法人(書物の歴史と保存修復に関する研究会)に本の修復・修理講座に通い始めて4年目になります。月1回の講座ですが、なかなかいろいろなことを覚える(というより手に覚えさせる)必要があり、一向に上達する気配がないのが残念ですが、道具だけは増えてきました。本の修復については、また別お機会に紹介したいと思います。(興味のある方はこちらを訪問ください)
今回は、革漉き用の刃や目打ちなどのカバーを作ることにしました。
カバーを作るのは初めてなので縫い目がそろっていませんが、それなりの形になったように思います。本当はコバを磨かないといけないようですが、トコノールをまだ買っていないので次回に残しておきます。

   革漉き用の刃物です。一番上は丸刃の革漉き包丁です。本職に刃を研いでもらったらすごく漉きやすくなりました。2番目は平刃で、下は刃幅の狭い斜め刃です。

   
ついでに目打ちと鋏のカバーも作りました。目打ちはカバーが付属しておらず危険なのでなにか被せたいと思っていました。鋏はプラスチックのカバーがついていたのですが、すぐ外れてしまうのでこちらもすこし大きめのカバーがほしかったものです。両方ともちょうどいい具合にできました。






  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 22:43Comments(0)革小物

2018年08月05日

Berlin Beatus写本の紹介

Beaus写本の一つで、12世紀に中部イタリアで製作された Berlin Beatus写本を紹介します。
イベリア半島以外で製作されたBeatus写本の3冊の一つです。
そのほかの写本と違い、薄い茶色や黄土色・赤色などで一部彩色されていますが、ほとんどが線描画です。
素朴な感じの挿絵で装飾に凝った感じは全くありません。
一部を紹介します。
   
   
詳しくは まちライブラリー@Beatus of 美里 で紹介しています。   
タグ :黙示録写本


Posted by おもちゃシューリーズ  at 18:29Comments(0)写本

2018年08月04日

おもちゃ病院 8月

暑い日が続いていますが、今日は子育て支援センター(松坂屋)で月一回のおもちゃ病院に参加しました。
結構持ち込みの方が多く今日は21個のおもちゃが持ち込まれました。大変忙しかったのであまり写真を撮ることができませんでしたが、いくつかのおもちゃを紹介します。
 「あんぱんまん自販機」ボタンが押しにくい・缶が出ないときがあるということで、中を清掃することで動きやすきなりました。


「E5系の扇風機」 ボタンを押しても羽が回らない・勝手に光が点灯するということでしたが、モーター部の回転がしにくく油を塗布することで治りました。

 動かないということでしたが、モータへの配線が切れており、半田付けをすることで治りました。また車輪のゴムベルトが切れたのを接着剤で補修していたので、手持ちの車輪と交換しておきました。

 
音が小さいということでしたが、スピーカーの交換で治りました。

修理をしている風景です。





来月は9月1日(土)ですが、来月から11月までの3か月間は、松坂屋の子育て支援センターが改装で使えないので、志賀町にある「志賀子どもつどいの広場」でおこないので、間違えないようにお願いします。時間は同じ10:00~14:00です。

詳しくはシューリーズのホームページを見てください。






  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 17:04Comments(0)おもちゃ修理