『中世ヨーロッパ彩色写本展』展示写本の紹介
市民ギャラリーにて、4月28日~5月2日にかけて、
彩色写本展を行います。
中世のヨーロッパで作られていた手書きの写本の美しさをぜひご覧いただきたく。 (無料です)
今回は詩編などの写本を紹介したいと思います。
当時の詩編写本(Psalter)は、キリスト教で『旧約聖書』の「詩編」、教会暦、聖人への祈りなどを内容とする分厚い書物で、中世の終わりごろに『時祷書』(時課経)が正式に現れるまで、おもに教会や修道院や富裕者や初心者がその日およびその時間の礼拝で具体的に何を歌い、祈るかに使われたもので、綺麗に挿絵が施されているのが常でした。(Wikipediaより)
①ラットレル詩編
1325年~1340年にイギリス北部のラットレル卿が制作した詩編写本。350×245の大きさで309葉の羊皮紙に描かれた大部の写本。中世の生活とともに、人間の頭と動物や鳥などの体が組み合された想像上の怪物が多数描かれています。 ただ、本文内容と関係のない挿絵がこれだけ描かれている理由はよくわかりません。ひょっとすると退屈な文章を少しでも面白くするために描かれていたとか。
本文の周辺の余白部にいろいろな絵が描かれています。
2足歩行のイノシシ顔の動物?
カモノハシのような口をしたドラゴン?
顔がしっぽにもある動物
などなど、ハイブリッド動物がそこかしこに描かれています。
また、当時の生活風景もいろいろ描かれています。
牛で鋤を引っ張って畑を耕している様子。
化粧をしているのか、治療をしているのかよくわかりませんが、目を見ています。
肉を焼いている様子ですか。バーベキューのようです。
②マックルズフィールド詩編
1330-1340年頃のイギリス東部で制作された写本で、豪華に彩色されています。 大きさは170×108㎜という小型の縦長ですが、252葉の羊皮紙に美しく彩色され、ラットレル詩編同様に挿絵にはハイブリッド怪物とともに擬人化された動物などが描かれています。中世の生活も描かれていますが、ラットレル詩編ほどではないです。
最後の所有者、マックルズフィールド伯爵にちなんで命名されています。
写本の1枚目の表(左ページ)と裏(右ページの左側)と2枚目の裏(右ページの右側)です。
兎と犬がパイプオルガンを弾いているようです。
上半身が人間で下半身が動物の2人が争っている?
エイのような巨大な生物に驚いている様子。
何をしているのかよくわかりませんが、猿が人のお尻を覗き込んでいる?
こちらもまたの下からのぞいていますが、お尻がまるみえです。
文章の最初の文字が彩られていますが、何の場面かはわかりません。なにか聖書のなかの話でしょうか。
今回は以上です。 また紹介したいと思います。
展示会にぜひお越しください。
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