絵本修理の続きです
先月依頼のあった絵本の修理の様子を紹介します。
絵本は定番の「はらぺこあおむし」です。
よっぽどお気に入りで何度も見たのか、表紙が外れてテープ止めしてあり、中のページもノドの部分を中心に破れ部をテープ止めしていました。
ノドの部分がテープで貼り合わせてあります。
こちらもノドの部分とページの途中でテープ貼りされています。
あるページは4分割ぐらいに破れていました。
とりあえずセロテープ等で貼ってある部分はすべて剥がしました。どうしても絵柄部が剥がれてしまう部分もありますが、テープが残っていると和紙で接着ができないので、できるだけ丁寧に剥がしました。
剥がし終わったところ。
破れている部分を和紙でつなぎ、ページが分かれているところも繋ぎなおして、元の折帖になるようにしました。下のページは先ほどの4分割になっていたページです。少し和紙が目立ちますが、全体としてはそれほどの違和感はないと思います。
反対側のページです。
ノドの部分をつなぎ合わせたページです。この後綴じるので、少し厚めの和紙で貼り付けてあります。
折帖は3折のため、どう綴じなおそうか悩みましたが、少し邪道かもしれませんが、1折り目と2折り目をサドルステッチのように綴じ合わせて、3折り目をコプト綴じのように綴じつけました。
折帖を重ねたところ。表紙裏の見返しと本体ページが一体になっているところのノド部で切れているので、本体ページと表紙を和紙で接続したものをとじ合わせましたが、未開セブを途中で切り取って綴じた方がやりやすかったかもしれません。この後の寒冷紗貼りり込みが結構大変でした。
一折目と二折り目をとじつけているところです。
こちらは3折り目をとじつけているところ。針を曲がり針に変えて下の綴じ糸をすくっています。
3つの折帖をとじ合わせたところ。まあまあの形になったと思っています。
あとは、背の部分を寒冷紗と裏打ち布で補強して、背表紙部を貼りつけました。
寒冷紗を貼り終わったところですが、この状態で見返しと表紙ボードの間に寒冷紗を貼りこむのは結構大変でした。やはり、見返しを途中で切って、最後に貼り合わせた方がよかったかも。そうすれば表紙に切り込みを入れる必要もなかったです。反省です。
このあと背表紙の部分を貼り付けます
完成の写真を撮るのを忘れました。まだまだ工夫をするところがあるのがよくわかりました。
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