2019年01月13日

アローヨ写本(ベアトゥス黙示録註解書)紹介

アローヨ写本は13世紀前半というベアトゥス写本群の中では最終期に作成されたと推定されている大型の写本です。
どれくらい大型化というとページの大きさが縦440mm横305mmあります。
A3サイズが420mm×297mmなのでそれより一回り大きなサイズになります。
ただ、ベアトゥス黙示録註解書の写本群の中にはもっと大きな写本もあって、Las Huergas(ラス ウェルガス)写本は530mm×340mmもあります。
こうなると本というよりも大きな画集という感じです。重さも10kg前後となり、持ち運びも大変です。
アローヨ写本はサン・アンドレス・デ・アローヨ修道院に所蔵されていたのですが、制作場所ははっきりしません。その豪華な彩色や大きさから、王家に縁のある修道院で製作されたという説があります。
挿絵は金・銀をふんだんに使用した豪華・華麗なものです。一部を紹介します。
Arroyo 01

Arroyo 05

Arroyo 03

Arroyo 06

Arroyo 11

Arroyo 08
これらの挿絵はフランス国立図書館のホームページで原色で見ることができます。ここでは挿絵だけでなく写本の最初から最後まで、背表紙なども含めてみることができます。金・銀の鮮やかさはなかなか分かりにくいですが、それでも原色をふんだんに使った豪華さは十分感じ取れます。
それにしてもこういった彩色写本がカラーで見ることができるのは嬉しいものです。
近年発見されたGeneva Beatus写本(ジュネーブ写本)も、スイスのe-codicesというサイトですべてを見ることができます。

  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 17:26Comments(3)写本