2018年08月12日

トリニティ黙示録の紹介

トリニティカレッジ所蔵の黙示録写本のFacsimile版(1967年刊)が手に入りました。 2006年刊版(岩波書店も共同出版で日本語版が出ています)は知っていましたが、こちらは知りませんでした。 昔の版なので用紙が羊皮紙という感じではありませんが、原寸大のフルカラーで再現されています。
Trinity黙示録は13世紀半ばに英国で制作されたアングロ・ノルマン語による彩飾写本で、71点の大型彩飾画が描かれています。
写本は44cmx30cmx2.2cmと大型ですが 64ページとBeatus写本に比べるとページ数は少ないです。(もっとも全頁に挿絵がありますが)
出版社はEUGRAMMIA PRESSです。






このほかにずいぶん昔に買った縮小版のFacsimile本と2005年発行の英語版解説本があります。
写真左がfacsimile版で、中央が縮小版のfacsimile本と右が英語版解説本です。


縮小版のFacsimile本は大手前女子学園の大高順雄教授と福井秀加教授が1977年に刊行したもので非売品ですが、神田の古本屋で購入しました。 挿絵の解説や、本文の原文などが収められています。


2005年発行の解説本はBritish LibraryとUniversity of Toronto Pressから発刊されたもので、David McKitterickの編集です。これはTrinity黙示録を中心に中世の黙示録一般も紹介しています。ただTrinity黙示録はカラーですが それ以外の挿絵は白黒なのが残念です


大高教授によると、この写本の特徴は細密画71とアングロノルマン方言による文から成り立っていることで、挿絵は新約聖書のヨハネ黙示録の内容に対応するもの(4~63)、および黙示録の始まりと終りに付された、聖ヨハネの生涯に関する場面(1~3, 64~71)とに分かれています。


  


Posted by おもちゃシューリーズ  at 22:43Comments(0)写本